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マセラティ『クアトロポルテ』——さらに進化した旗艦

「4つの(クワトロ)扉(ポルテ)」という名を持つ、4ドアラグジュアリースポーツサルーン『クアトロポルテ』は、1963年に産声を上げた。以降、マセラティというブランドが持つスタイリング、エレガンス、クオリティ、そしてパフォーマンスを特徴づける役割を担うフラッグシップであり続けている。2013年デビューの現行型は新型も待ち望まれているが、その前に、マイナーチェンジを敢行。エレガンスを強調する新しいエクステリアデザインの導入とインテリアの進化、先進安全技術を搭載した2017年モデルを発表した。

マセラティ100年の歴史を感じることのできる『クワトロポルテ』のフロントマスク

マイナーチェンジを果たした『クワトロポルテ』の最大の特徴は、エクステリアの刷新だ。フロントマスクには、マセラティ創業100周年を記念して発表したコンセプトカー『アルフィエーリ』にインスパイアされたグリルを装着。ラジエーターグリルのクロームのバーが立体的で、力強さと気高さを感じさせる個性が際立っている。

ちなみにフロントグリルは外部の意匠だけでなく、内部の技術も進化した。電動調節式エアシャッターを設けることで、エンジン温度の最適な制御と空気抵抗の低減を実現し、エアロダイナミクスを10%改善している。

エクステリアでは、フロントとリアのバンパーにも変更が加えられた。さらに、サイドスカートやドアミラーと合わせて、マットブラックのカラーリングを採用することで、アクセントをつけた。

インテリアでは、新しいハイテク装備によって洗練度が向上している。センター・ダッシュボードは、「Apple CarPlay」「Android Auto」に対応したマルチタッチ式8.4インチ高解像度ディスプレイを設置。 センター・コンソールには、インフォテインメント・システムを直感的に操作するロータリー・コントロールを設けた。

“ラグジュアリー”と“スポーティ”の2つから選べる『クワトロポルテ』の新トリム

大きなトピックは、新トリム戦略の実現だ。一部車種では、ラグジュアリー性を高めた「グランルッソ」とスポーツ性を強調した「グランスポーツ」の2種類のオプションが準備された。

「グランルッソ」は、レーシング技術をベースにしたラグジュアリーセダンとして『クアトロポルテ』を再解釈。外観ではクローム・インサート・バンパーやボディ同色バンパー、20インチのマーキュリオ・ホイールとブラックのブレーキキャリパーが印象的だ、

内装では、メンズラグジュアリーブランドである、「エルメネジルド・ゼニア」とコラボ。シート、ドア、ルーフライニング、サンバイザーにシルクファブリックを用いている。また、ダッシュボードとステアリングにオープンポア仕上げのラディカ・ウッドを取り入れたことで、キャビンの雰囲気は一層洗練度が高まった。
「グランスポーツ」は、長いレース経験のなかで培ってきたマセラティの伝統を反映させ、スポーツ性とアグレッシブな魅力を訴求したトリムだ。外観ではセンターエアインテークとサイドエアインテークに特別な造形を施しアグレッシブな印象。また、リア・バンパーにエアロダイナミック・フィンが装着され、エグゾーストパイプとともにスポーツ性を際立たせた。足回りには21インチのチタン・ホイールが装着される。

内装は、ハイグロス仕上げを施したピアノ・ブラックのウッドトリム、アルミニウム製のシフトパドルを備えたスポーツステアリングホイール、そしてステンレススチール製スポーツペダルの採用により、スポーティで精悍な印象だ。

他車を寄せつけない圧倒的な動力性能に加え、先進安全技術を搭載して安定性も向上

もうひとつのトピックである先進安全技術については、オプションでストップ&ゴー機能を備えた「アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)」、車両が意図せず車線を越えた場合にドライバーを警告する「レーン・デパーチャー・ワーニング(LDW)」などを搭載した。

また、走りを安全性から支える電子制御システム「マセラティ・スタビリティ・プログラム(MSP)」は、さらに進化。ハンドリングとグリップを常時測定し、スリップが検知されるとエンジンのトルクを絞りながらブレーキを微妙に操作して、ミリ秒単位で車両の安定性を回復してくれる。

パワートレインに大きな変更は少なかったが、さわりを記しておこう。マセラティ・パワートレインとフェラーリ・パワートレインが共同開発した従来のエンジンを踏襲し、最上位モデルである『クアトロポルテ GTS』に搭載される3.8L V8ツインターボエンジンは、最高出力390kW(530ps)/6800rpm、最大トルク650Nm/2000rpm-4000rpm。静止状態から100km/hまでわずか4.7秒で加速する。

『クアトロポルテ』『クアトロポルテS』『クワトロポルテSQ4』に搭載される3.0L V6ツインターボエンジンは、従来よりもパワーアップ。最高出力は350hp、最大トルクは500Nmで、0-100km/h加速は5.6秒、最高速度は267km/hに達する。また、燃費は10.9km/Lで、50年に及ぶマセラティの歴史のなかでもっとも優れた値を実現した。

今回はマイナーチェンジだが、それでも、ラグジュアリースポーツセダンの先駆けである『マセラティ クワトロポルテ』の特別さを感じることができる。気高い佇まいに流麗なデザインをまといながら、一度アクセルを踏みこめば他を寄せつけない圧倒的な動力性能を発揮。まさに、こうありたいと思わせる理想の大人の男を具現化したような一台だ。

Text by Tsukasa Sasabayashi