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トゥインゴ「ゼン」MTモデルでフランス車を堪能せよ

日本では「輸入車=プレミアム」というイメージが根強い。しかし、フランス車の場合、その魅力は「ベーシックモデル」にこそ表れる。シンプルだからこそ際立つクルマの基本性能という部分で、フランス車は非常に優れているからである。ルノーも、本国フランスではごく一般向けのブランドで、販売の主力は豪華装備の上級グレードではなく、日々の暮らしに寄り添うベーシックモデル。2016年1月に日本での発売を開始したルノーのコンパクトな4ドアハッチバック『トゥインゴ』の新グレード「ZEN(ゼン)」は、この「ベーシックであること」を追求したモデルだ。装備をシンプルにして価格を抑え、5速MTモデルもラインナップするなど、フランス車らしさを味わえる“真打ち”といっていいトゥインゴである。

よりフランス車らしさを堪能できる、ルノー・トゥインゴ「ゼン」の5速MT搭載モデル

「ゼン」という名称は、日本の「禅」に由来する。これは単なる廉価グレードではなく、必要な装備は残しながら、きらびやかな部分をそぎ落としたシンプルさ、素材の良さを重視したモデルであることを表現したものだ。

上級グレードの「インテンス」と比較すると、まずアルミホイールがスチールホイールとキャップに変更され、サイドプロテクターモールのクロームモールを省略。機能面では、オートエアコンがマニュアルエアコンになり、さらにバックソナー、オートライト、フロント雨滴感知式オートワイパー、ウーハーが非装備となった。インテリアのマテリアルはインテンスと同じだ。

最大のトピックは、パワートレインに3気筒1.0L自然吸気エンジン+5速MT(マニュアルトランスミッション)を選べること。たしかに、最高出力が52kW(71ps)、最大トルクは91Nm(9.3kgm)と、インテンスと同じ3気筒0.9Lターボエンジン+6速EDCの66kW(90ps)、135Nm(13.8kgm)に比べると、MTモデルのパワーはやや見劣りする。

しかし、車重わずか960kgというリヤエンジンの軽量ボディをMTで操る「ファン・トゥ・ドライブ」は、このクルマでしか味わえないもの。近年はフランスでもATモデルの比率が高まっているが、それでも20%程度と、まだMTが主流だ。本国で乗られている仕様に近いMTモデルなら、よりフランス車らしさを感じられるだろう。

トゥインゴ「ゼン」の価格は171万円から、国産コンパクトカーと遜色ないお手頃価格

ボディカラーのバリエーションは「インテンス」と変わらない。「ブルードラジェ」「ルージュ フラム メタリック」「ブルー メディテラネ メタリック」「カプチーノ メタリック」「ブラン クリスタル」の6色が用意されている(メタリックはプラス3万2400円)。

価格は、6速EDCのターボモデルが180万円、5速MTモデルは171万円。特に、MTの170万円台というのは国産コンパクトカーと比べても遜色なく、輸入車としては破格の価格だ。このお買い得価格も「ゼン」の大きな魅力といえる。
2016年に3代目となるトゥインゴが日本上陸を果たした際には、ベーシックモデルを待望する声が多く聞かれ、50台限定で発売されたMTモデルの「サンクS」が即日完売したほどの人気ぶりだった。

オートエアコンがマニュアルになり、オートライトが装備されないのは、クルマの基本性能を味わう意味では取るに足らない小さなことにすぎない。必要にして十分。なぜ好事家たちにベーシックモデルのフランス車が人気なのか。トゥインゴ「ゼン」に乗ってみれば、その理由がきっとわかるはずである。
Text by Muneyoshi Kitani