2018 Alfa Romeo Stelvio
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アルファロメオ初のSUV『ステルヴィオ』デビュー

イタリア北部、アルプス山中にあるステルヴィオ峠。全長20kmに及ぶ峠道は「世界最高のドライビングロード」「ロードレースの聖地」とも称され、風光明媚な眺望とドライビングプレジャーを満たす連続するヘアピンカーブが特徴だ。その峠道の名を冠した車が、アルフェロメオ『ステルヴィオ』である。100年を超えるアルファロメオの歴史上、初となるSUVモデルは、発表されたLAショーでも、ひと際注目を集めた。

アルファロメオの精神を体現するコンパクトで上質な『ステルヴィオ』のデザイン

アルフェロメオ『ステルヴィオ』は、「Meccanica delle emozioni(感情のメカニクス)」と表現されるアルファロメオの精神を体現した1台だ。

「Meccanica delle emozioni」には、「ひと目でわかるイタリアンデザイン」「超高度かつ革新的なエンジン」「完璧な重量配分」「最高のパワーウエイトレシオ(出力重量比)」「独自の技術ソリューション」という5つの要素がある。

「ひと目でわかるイタリアンデザイン」では、長さ468×高さ165×幅216cmの控えめなサイズながら、強さとダイナミズム、コンパクトさを表現している。サイドビューは、フロントからリアへと流れるコンパクトカーを想起させる輪郭線が印象的だ。キャビンは急傾斜のテールゲートで終わっているが、その上部には空力性能を最大限高めるスポイラーを設けた。

コンパクトながら上質感があり、また、アルファロメオらしいスタイリングを感じさせるのは、表面仕上げによる部分が大きい。彫刻的なフォルムは、光と影を強調して鋭利なコントラストを生み出している。

LAショーで発表されたのは、高性能モデルである「Quadrifoglio(クアドリフォリオ)」だが、こちらはスポーツキャラクターを強調するカーボンインサート付のボディー同色サイドスカートを採用。前後のバンパーやパワフルなスタイルのホイールアーチと相まって、同セグメントのSUV よりもスポーツセダンに近い姿となっている。

フェラーリのテクノロジーと技術をヒントにしたエンジンを搭載する『ステルヴィオ』

「超高度かつ革新的なエンジン」には、280psを発揮する2.0Lターボエンジンと510psを発揮する2.9L V型6 気筒ツインターボエンジン(クアドリフォリオ)を採用し、8速ATと組み合わせた。

エンジンはフェラーリのテクノロジーと技術をヒントにした100%アルミニウム製。8ATはトランスミッションの大手サプライヤーであるZF製だ。特別なチューニングが施されており、「レース」モードでのシフト時間はわずか150ミリ秒。ステアリングコラムには、アルミニウム製のパドルスイッチも標準装備されており、リニアな操作が可能である。

パワートレインが発揮するパワーを受け止めるフロントサスペンションは、セミバーチャル ステアリングアクシスを採用したダブルウィッシュボーンシステム。路上の凹凸の吸収を最適化するとともに、ステアリング操作に対して速やかで正確なレスポンスを実現している。

『ジュリア』と同ラインで生産される『ステルヴィオ』、日本市場への正規導入は未定

「完璧な重量配分」も健在だ。各部の重量や材料を厳密に管理し、なるべく重量の重いコンポーネントを車両の中央近くに配置することで対応。「最高のパワーウエイトレシオ(出力重量比)」は、プロペラシャフトにカーボンファイバー、エンジン、サスペンション、ブレーキ、ドア、ホイールアーチ、ボンネット、そしてテールゲートにはアルミニウムを採用するなどして軽量化を図り実現した。もちろん、軽量化を行ったからといって、耐久性や低騒音、ハンドリングに寄与する「優れたねじり剛性」は損なわれていないことを付け加えておこう。

「独自の技術ソリューション」では、「クアドリフォリオ」の4WDシステムに、駆動力配分をリアルタイムでコントロールする「Q4テクノロジー」を採用。ドライブモードの設定に応じて、速やかなレスポンスと正確なトルク配分を実現している。また、同じく「クアドリフォリオ」には、「Alfa シャーシドメインコントロール(CDC)システム」を搭載。加速度や回転速度をセンサーが検知し、すべての車載電子装置に対する調整する「脳」としての働きを担っている。
『ステルヴィオ』は、革命的なスタイリングとスポーツハンドリング、優れたテクノロジーによりアルファロメオの新時代を開いた『ジュリア』と同ラインで生産される。この『ジュリア』が日本に正規導入されていないように、『ステルヴィオ』の日本市場での展開も未定だが、『ジュリア』と同じくアルファロメオの新時代を印象づける、歴史に名を残す1台になることだろう。
Text by Tsukasa Sasabayashi