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5速MT搭載のフィアット『500』が限定モデルで復活

約60年前に生まれたクルマにもかかわらず、いまも欧州をはじめ、世界各国に熱心な愛好家が存在する『NOUVA(ヌーバ)500』。日本では「ルパン三世の愛車」としても有名なフィアットの歴史的名車である。このヌーバ500を現代的にアレンジして2007年に登場したのが、フィアット『500(チンクエチェント)』だ。「チンク」の愛称で知られ、世界中でベストセラーとなっているこの『500』シリーズに、5速マニュアルトランスミッション(MT)モデルの『500S』が150台限定で“復活”した。

フィアット『500』よりもスポーティ、『アバルト500』よりカジュアルな『500S』

2007年のデビュー以来、フィアット『500』はエンジン・バリエーションが変更されたり、さまざまな限定モデルが発表されたりしてきたが、デザイン変更が行われたのは2016年1月のマイナーチェンジの一度しかない。それだけ完成されたデザインを持つクルマということだろう。

このときにカタログ落ちしたのが5速MTを搭載する『500S』だ。走りを追求するだけなら高性能モデルの『アバルト500』という選択肢もあるが、普段使いにはアバルトのパワーはそれほど必要ない。そう考えるオーナーにとって、0.9L 2気筒ターボを5速MTで操る『500S』は気軽にドライビングを愉しめる絶妙なモデル。『500』よりもスポーティで、『アバルト500』よりポップでカジュアルなスタイリングも『500S』の大きな魅力だった。

その『500S』が2016年12月から150台の限定モデルとして再導入された。もちろん、デザインはマイナーチェンジが施されたニューバージョンとなっている。

内装は3色のボディカラーと組み合わされ、外装には『500S』専用のボディパーツ

『500S』は、ひと目で500シリーズとわかるスタイリングを持ちつつ、『500』とも『アバルト500』とも異なるモダンかつカジュアルな印象の内外装に仕立てられている。

エクステリアでは、フロントバンパー、リヤバンパー、サイドスカートに専用デザインが施され、グレーの5本スポークアロイホイール、サテンクローム仕上げのドアハンドルやドアミラーが組み合わされた。ボディカラーは、「ボサノバホワイト」「グルーブメタルグレー」「ブルーイタリー」の3色で、台数はそれぞれ限定80台、60台、10台だ。

インテリアはブラックを基調とし、『500』と同様にダッシュボードの色がボディ同色となるほか、シートとドアトリムの生地に「ボサノバホワイト」「グルーブメタルグレー」のボディカラーならホワイト、「ブルーイタリー」にはブルーがコーディネートされる。また、スポーツステアリングホイールが新デザインとなり、タッチスクリーン式のオーディオ、USBと外部入力の端子なども装備された。

意外に「回る」エンジンの『500S』、普段使いやスポーツドライビングにうってつけ

しかし、やはり『500S』の一番の醍醐味は、最高出力63kW(85ps)、最大トルク145Nm(14.8kgm)を発生する『500』のツインエアと同じ0.9L 2気筒ターボエンジンを5速MTで操れることだろう。

数値の上ではごく普通の実用エンジンだが、2気筒ユニットならではのビート、湧き上がるトルクを感じながら3ペダルMTを駆使するのは、十分にスポーツドライビングと呼べるものだ。乗ってみれば、意外に「回る」エンジンであることを実感するはずである。

もちろん、速さだけなら99kW(135ps)を発生する『アバルト500』に劣るが、『500S』には日常的にスポーツドライビングを愉しめるなど、付き合いやすさがある。復活した5速MTのチンクエチェントの価格は234.36万円。150台限定だけに、気になる人は急いだほうがいいだろう。

Text by Muneyoshi Kitani