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- 40オトコ会社トラブルの法律問題 -

メール監視はプライバシー権の侵害か?

同僚を飲みに誘ったり、あるいはプライベートな友人や恋人と遊ぶ約束をしたり、仕事の合間に会社のパソコンから私用のEメールを送ることって、ありません? こうした社内メールの私的利用って、法的になにかマズいことがあったりするのか。また、会社が社員のそういうメールを監視していたとして、それはプライバシー権の侵害にあたらないのか。

メールチェックはプライバシー権の侵害にならない

まず、「プライバシー権」とは私生活について他人から干渉されない権利をいいますが、この権利は雇用関係においても当然に守られます。その一方で、労働者には、勤務時間中は自分の仕事に専念する義務があります。つまり、この権利と義務の調整が必要になってくるわけですね。

で、社内メールの私的利用については、一般的には、「会社における職務遂行の妨げにならない軽微な利用であれば許容される」と考えられています。しかし、会社のメールチェックに関しても、職場のパソコンもサーバも会社が業務のために導入した財産だから、その利用方法を管理監督することは原則として不当な行為=プライバシー権の侵害にあたりません。

要するに、ちょっとだけなら私用メールもOKだけど、会社の所有物を使っている以上、勝手に中身を見られても基本的に文句はいえませんよ、ってことですね。なので、込み入った内容の私用メールは控えた方が無難でしょう。

ただし、日本の裁判例では「会社側の監視の目的・手段・態様等を総合考慮して、監視される側に生じた不利益との比較衡量(こうりょう)のうえ、社会通念上逸脱した監視がなされた場合に限り、プライバシー権の侵害になる」と考えられており、ひらたくいえば、

・メールの利用を監視する立場にない人の監視
・業務上の合理的必要性がない監視
・興味本位や個人攻撃を目的とした監視

はダメですよ、ってことです。また、上記と同じ理屈で、従業員がインターネットで閲覧したサイトの履歴を会社がチェックすることも、業務上必要な範囲内であればOK。仕事をサボってSNSやネットショップ、あるいは出会い系サイトなんかにアクセスしていないか、従業員の勤務態度を監視するのはいたって正当な行為というわけですね。

ちなみに、メールやサイトの閲覧履歴のチェックに際して、会社が従業員に「あなたのパソコンの中身は丸見えですよ」的な事実を公表する義務はないそうです。円満な職場環境を維持するためには、周知しておく方がスマートですけどね。

Text by Hikaru Sudo