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- 40オトコ会社トラブルの法律問題 -

法の下に会社と交渉する方法

法律は原則として残業を認めておりません。残業で働いた分の給料が支払われないのは、労働基準法違反=違法行為となります。では、もし勤めている会社が残業代を支払わなかったら、具体的にどんな手を打てばいいのでしょうか。

段階を追ってしっかり交渉を

まずは会社と本人で話をつけることですが「あの、残業代を…」と口頭で訴えるだけではスルーされてしまうかも。そんなときは内容証明郵便で通知してみましょう。あるいは当事者間での交渉が難しければ、次のような方法も…。

・労働基準監督署に通報
悪質なケースでは労基署が会社に対して是正勧告を行うことも。

・労働局の「あっせん」
労働委員会が仲介人を立てて話し合いを促進してくれる制度。

郵便代などは別として、ここまではお金もかかりませんが、強制力もありません。文書に残したり労基署を通した方が先方はビビる、っていう程度の話です。ものわかりのいい会社であればこれで事足りますが、そうでなければ司法の場へ。

とはいえ、裁判は時間もかかるしハードルが高い…ならば「労働審判」という手があります。これは裁判官1人と労働審判員2人の計3人で合議し、原則3回の期日内(3〜4カ月)で審理を終わらせる手続きで、早期解決が望める分だけ精神的苦痛も費用も軽減できます。また裁判のように勝ち負けを争うのではなく、あくまで話し合いによる解決(=調停)を目指し、話がまとまらなかった場合には強制執行力を持つ審判が下されます。

仮にこの審判に異議申し立てがあれば通常の民事訴訟に移行しますが、そういうケースは少ないようです。というのも、裁判所は労働審判の結果を重視するので粘ってもあまり変わらないのです。もちろん相応の手間とコストを覚悟したうえでなら最初から裁判で勝負してもOK。裁判では原告は未払い残業代+それと同額の付加金(罰金)、さらに遅延損害金まで請求できますから勝てばリターンは大きく、逆に会社からすれば負けたらシャレにならないわけで、裁判前に任意の支払いも見込めます。

さて、いずれの手段で残業代を請求するにせよ、絶対に必要になるのが、証拠資料。そう、どれくらい残業したのか具体的な数字を出せなければ請求のしようがないんです。だから、万が一に備えて毎月末にタイムカードのコピーをとっておく、すなわち証拠集めが残業代請求のはじめの一歩です。

なお、会社にはタイムカードの保存義務(3年間)がありますが、開示を拒んだり改ざんしたりするケースもあり得るので、やはりコピーが確実。タイムカードがなければ業務日報や残業中に送ったメールの記録、場合によっては出退勤時間をメモった手帳や日記でもある程度の証拠能力が得られます。

Text by Hikaru Sudo