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- 40オトコ会社トラブルの法律問題 -

労災って、通勤中のケガにもおりるのか?

ビジネスマンも体が資本。もし過労で倒れたりして働けなくなってしまったら…。そんなとき、療養補償や休業補償など必要な給付を受けられるよう、一人でも労働者を使用しているすべての事業所は労災保険(労働者災害補償保険)への加入が義務づけられています(※国の直営事業・官公署の事業、船員保険の被保険者は除外。農林水産業の一部は任意加入)。この労災保険は、業務に起因する傷病だけでなく、業務外の「通勤災害」にも適用されます。では、法律上の「通勤」はどの程度の範囲内となるのでしょう?

寄り道は通勤外認定だが、知っておきたい5つの例外

労災保険法上、通勤とは「住居と就業場所のあいだを合理的な経路および方法により往復すること」をいいます。が、この経路を「逸脱」したり往復を「中断」したら、その時点で通勤ではなくなります。つまり特に理由もなくやたら遠回りしているときや、帰宅途中に映画館に入ったり居酒屋で一杯引っかけたりしたあとで事故にあってケガをしても労災はおりませんよ、ってことですね。もっとも、経路上の近くの公衆トイレを使用したり経路上にある店で缶コーヒーや雑誌を買うなど、ごく短時間ですむ「ささいな行為」であれば逸脱・中断にあたりません。

でも、一人暮らしのサラリーマンだったら会社帰りに夕飯の買い物ぐらいしますよね。そのあたりどうなのかというと、行為そのものは逸脱・中断にあたるけれども、例外的に、「日常生活上必要な行為」を行うための「最小限度のもの」であれば、いったん寄り道しても、再びもとの合理的な経路に戻ったところから通勤と認定されるそうです。

もっとも、「日常生活上必要な行為」でも、寄り道しているあいだは「通勤」とみなされません。会社帰りにスーパーに食材を買いに立ち寄る場合、普段の帰宅経路を外れてスーパーに向かった瞬間から、買い物を終えてもとの経路に戻るまでは、事故にあっても労災は適用されないというわけです。
 で、厚生労働省が定める「例外」が以下のとおり。

(1)日用品の購入その他これに準ずる行為
(2)職業訓練または教育訓練を受ける行為
(3)選挙権の行使その他これに準ずる行為
(4)病院で診察や治療を受けることその他これに準ずる行為
(5)(反復継続して行われる)家族の介護

夕飯の買い物は(1)にあたるのでセーフですね。といっても、通勤中に負ったケガならなんでも労災が適用されるわけではありません。経路上に落ちてた空き缶を故意に蹴り上げてすっ転んだとか、事故の原因が自分にあるとダメ。通勤災害と認められるのは、通勤と災害とのあいだに相当因果関係があるとき、たとえば通勤ラッシュ時に人波に押し流されて転倒したとか、通勤中にふつうに予想できる危険が具現化した場合に限られます。

Text by Hikaru Sudo