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- 男女トラブルの法律問題 -

離婚にはどんな手続きが必要なのか?

よくいわれる「3組に1組が離婚」みたいな文句。まあ、この数字はある年の離婚件数を、“新規の”婚姻件数で割ったものなのであまり正確でないとの指摘もありますが、ひとつの目安にはなります。独身の人からすれば「こちとら結婚すらままならないってのに簡単に離婚してくれるもんだ」なんて思っちゃうかもしれませが、もちろん離婚の手続き自体は簡単ではありません。具体的にどんなフローなのでしょうか?

離婚の段階は、協議→調停→審議→裁判

まずもめるのが、親権。一般的に、「子供は母親に育てられた方がいい」という経験則から、母親が親権者として優先されます。でも、父親だって子供と暮らしたいですから、そこで親権の取り合いになるんですね。

このとき、子供の意思は「ある程度は尊重される」ものの、明確な法律がないため、結局は「長い目で見て、その子がより健全に育つ可能性が高い方」に託すことになります。もっとも、現状では、母親が育児放棄をしていたなど特別な事情がない限り、父親が親権を得るのは難しくなっています。

親権の次に問題になるのがお金、すなわち慰謝料、財産分与、養育費ですね。慰謝料は、たとえば浮気をしたなど、婚姻中に落ち度のあった方に支払い義務が生じます。これに対して財産分与とは、落ち度の有無にかかわらず、夫婦の蓄えや夫婦で使っていた家具など共有の財産を折半すること。「共有」ですから、個人名義の預金や個人の趣味で買った美術品などは対象外。養育費は、どちらに親権があるかは関係なく、子供が社会人として自立するまでは双方が分担しなければなりません。

最後に、離婚は、役所が離婚届を受理したときに成立します。当然、届け出には夫婦の合意が必要で、どちらか一方がこれを拒めば離婚届を提出しても離婚は無効です。じゃあ、合意が得られなければ即裁判かというとそうではなく、日本の法律は「調停前置主義」をとっており、以下のステップを踏みます。

協議離婚:夫婦で話し合い
調停離婚:夫婦の一方が同意しなければ、家庭裁判所が間に入って話し合い
審判離婚:調停が成立しなかった場合、家庭裁判所が職権で離婚の審判を下す
裁判離婚:上記すべてが不成立で、かつ民法に定める離婚原因があれば裁判

裁判離婚は、夫婦の一方に離婚意思がなくても強制的に別れさせる最後の手段。ここに至るまでもめ続ける夫婦は全体の1%程度だそうですが、調停でも相当の労力が要ることでしょう。結婚するときは離婚の手間も考えて慎重に…なんて助言は野暮ですかね。

Text by Hikaru Sudo