セキュリティー
- 男女トラブルの法律問題 -

恋人のメール・LINE盗み読みは犯罪になってしまう!?

たとえば、デートの最中に恋人が「あ、ちょっとゴメンね」とかいいながら携帯電話を取り出し、楽しそうにメールを打ちはじめたとします。いったい誰にどんなメールを送っているのか、気になりますよね。仮に恋人のメールを盗み見たら、何らかの罪に問われるのでしょうか?

メール・LINEの盗み見よりも危ないのは●●

とりあえず刑法上は、持ち主の承諾なく携帯電話のメールや履歴を見る行為を処罰する法律はありません。よって犯罪とはなりませんが、プライバシー権を侵害したとして、民法上の損害賠償義務を負う可能性はあります。

もっとも、プライバシー権の侵害といっても程度問題で、たとえば恋人がトイレに行ってる隙にこっそり読むくらいでは侵害の度合いは低いと考えられ、しつこく盗み見を繰り返すなど悪質なケースでなければ損害賠償を請求するのは難しいようです。では、ただ「見る」だけでなく、メールの内容を書き換えたり消去したりする行為に関してはどうか。

この場合は、私文書等毀棄罪(刑法259条)や器物損壊罪(刑法261条)になるか否かが問題となりますが、前者の対象は「権利又は義務に関する他人の文書又は電磁的記録」(たとえば銀行のオンラインシステムにおける預金データなど)に限られ、後者については、データという「情報」は器物損壊の対象にはならないため、いずれも犯罪は成立しません。ただし、刑法上はおとがめナシでも、やはり民法上はプライバシー権の侵害になり得ます。

ちなみに、上記の器物損壊罪に関連して、しばしば「大事にしてたプラモデルを彼女に勝手に捨てられた」みたいな嘆きを聞くことがありますが、こんなふうに他人の所有物を同意なく処分するのは立派な器物損壊罪。もうひとつ、似たケースに「オンラインゲームにハマりすぎて、怒った彼女にデータを消された」なんてのもあります。こちらは、対象がデータであるため器物損壊罪には問われないものの、他人のIDやパスワードを用いてログインしているわけですから、不正アクセス禁止法に抵触する可能性があります。

Text by Hikaru Sudo