Woman being stalked by criminal in sunglasses and ski hat
- 男女トラブルの法律問題 -

片思いとストーカーの境界線は?

先日、4年間付き合って結婚も考えていた女性に突然振られてしまいました。理由を説明してもらおうと何度も電話したのですがつかまらず、彼女の職場や自宅の近くで待ち伏せしていたら「ストーカー規制法違反で訴えるわよ!」といわれてしまいました——これは実際にあった事案です。もちろん女性が怖がる気持ちもわかりますが、こうした不器用なアプローチをみな「ストーカー」呼ばわりされては、おちおち片思いもできません。どこまでやったらアウトなのでしょうか。

「ストーカー行為」の定義とは?

この女性が持ち出したストーカー規制法における「ストーカー行為」とは、特定の人物に対するつきまとい等を「反復して」かつ「恋愛感情、好意またはそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足させる目的」で行うことをいいます。で、「つきまとい等」とは、具体的には以下のとおり。

・つきまとう。待ち伏せする。進路に立ちふさがる。住居、勤務先、学校など通常所在する場所の付近を見張る、押し掛ける。
・行動を監視していることを告げる、または知り得る状態に置く(たとえば「今日はAさんと銀座で食事していましたね」と口頭、電話、メール、書き置きなどで伝えたり)。
・面会、交際、復縁、その他義務のないことを強要する。
・著しく粗野または乱暴な言動をする(たとえば大声で怒鳴ったり家の前で車のクラクションを鳴らしたり)。

もちろん無言電話をかけたり、嫌がる相手に対し電話やメールをしつこく繰り返す、あるいは汚物や動物の死体など誰が見ても不快な物を送りつけるといった、常識を外れた行動は論外。また、口頭ないし文書で名誉を傷つけたり、わいせつ写真や卑わいな言葉でもって性的羞恥心を害したりするのも同様に違法です。平たくいえば、一般的な感覚に照らして「それは誰でも嫌がるよ」という行為を「反復して」行ったらアウト。ちなみに、ストーカー規制法違反は、6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金です。

では、冒頭の一件はどうか。この男性の行動の目的があくまで別れた理由を聞くことにあり、恋愛感情等があるわけではないと認められれば、ストーカー規制法により処罰される可能性は低いと考えられます。しかし、もし彼が、元彼女が拒絶するのを無視して、復縁を迫る目的で電話や待ち伏せを続けていれば逮捕もあり得るわけですね。
Text by Hikaru Sudo