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進化したアストンマーチンの旗艦、ヴァンキッシュS

「打ち破る」「克服する」などの意味をもつ単語「Vanquish (ヴァンキッシュ)」。この言葉を聞いて、アストンマーチンのフラッグシップモデルである『ヴァンキッシュ』が思い浮かべば、あなたは立派なカーガイだ。その『ヴァンキッシュ』は、現在2代目だが、デビューから約4年が経った2016年11月、進化型として『ヴァンキッシュS』が発表された。

進化型6L V12エンジンによって先代を上回るパワーを得た新型『ヴァンキッシュS』

新型『ヴァンキッシュS』は、従来型をベースにエンジン、シャシー、エアロダイナミクスを徹底的に見直したことで、より優れたポテンシャルと高い運動性能を獲得。また、エクステリアでは、シャープなスタイリングを手に入れた。

最大のトピックスは、6L 自然吸気V12エンジンの進化だ。空気を取り入れるインテークシステムに改良が施され、吸気効率が向上した。具体的には、大きくなったインテーク・マニホールドによって、高回転域におけるエアの吸気量が増加。レッドゾーンまでパワーが途切れない、力強い加速が生み出される。その最高出力は、先代モデルの573psを上回る600psまで引き上げられ、鋭いスロットル・レスポンスを実現した。

パワーの増強に合わせて、8速トランスミッションも進化。キャリブレーションを調整することで、低速時の洗練性が増し、素早いギヤシフトに加え、精密でレスポンスに優れたシフトフィールを実現した。また、足回りでは、サスペンション、ダンパー設定、スプリング・レート、アンチロールバーのブッシュが再調整され、しなやかな乗り心地を犠牲にすることなく、よりスポーティでダイレクトな乗り味が生み出されている。

まったく新しい印象を与え、見る者を魅了する『ヴァンキッシュS』のスタイリング

アストンマーチン社長兼最高経営責任者のDr. アンディ・パーマーは、「第2世代のヴァンキッシュは、フル・カーボンファイバー製のボディワークといった最先端のエンジニアリング、見る者を魅了する現代的なスタイリングによって、その役割を新しい時代へと受け継ぐ」と、2代目『ヴァンキッシュ』のデザインを語る。『ヴァンキッシュ S』のエクステリアは、その2代目のデザインをベースにしているとはいえ、まったく異なる印象を与えている。

4本出しのエキゾースト・パイプを採用することで、アグレッシブな外観が演出され、アストンマーチンを代表するスポーツGTの名に相応しいスタイルを演出。また、カーボンファイバーを露出させた新しいフロント・スプリッターとリヤ・ディフューザーによって、フロントのリフトは大幅に低減。空気抵抗は最小限に抑えられた。

オプションとなるカーボンファイバー・ボンネット・ルーバー、鍛造5スポーク・ダイヤモンド旋削ホイール、ペイント・グラフィック・パックを装着することで、個性的なエクステリアはさらに進化する。そして、テールゲートには「Vanquish S」のエンブレムが、誇らしげに装着される。

アストンマーチンの歴史の転換点に楔を打つ進化型フラグシップ『ヴァンキッシュS』

インテリアには、幅広い選択肢が用意された。「フィログラフ キルト・レザー」や「サテン・チョップド・カーボンファイバー」「フェイシア・パネル」といった新素材や個性的な仕上げにより、自分だけの1台を作り出すことができる。

また、100年以上の歴史をもつスコットランドの本革ブランド「Bridge of Weir(ブリッジ オブ ウィアー)」のケースネス・レザーが、ラグジュアリーな雰囲気と最高の肌触りを提供する一方、ヘッドレストには熟練した職人仕上げによる「Vanquish S」の刺繍が施された。

『ヴァンキッシュ』は、アストンマーチンの歴史の転換点に楔を打つ1台だ。その歴史の転換とは、ハンドメイド・カーの時代から、卓越したクラフトマンシップと高度なテクノロジーを融合する時代への変貌。『ヴァンキッシュ』は、そのなかで、推進役としての役割を果たしてきた。そんな『ヴァンキッシュ』がさらに進化した『ヴァンキッシュS』に期待せずにはいられない。

まずは、英国、ドイツ、アメリカでのデリバリーが始まり、アメリカでは31万2950ドルで販売される。1ドル=117円として約3660万円と最高峰に相応しい価値。まさに、時代に合わせて最先端の姿を現した、ブリティッシュGTカーを代表する垂涎の名車といったところだろう。

Text by Tsukasa Sasabayashi