おとなの週末_2017年1月号
- おとなの週末 powered by éditeur -

【極みの蕎麦】啜る門には「口福」来たる!

香り豊かで艶やかな新蕎麦の旬、真っ只中。
そこでせいろ、温蕎麦、蕎麦前などなど、人気店、新店を徹底覆面調査。
「極み」と言える蕎麦を愉しませる店を集めました。
さらに立ち喰いや年越し蕎麦のお取り寄せも吟味。
決定版!の言葉に偽りなしです。

蕎麦を愉しむには一にも二にもまずはせいろが旨い店に行くべし。
吟味した原料と手打ちならではの香りと美味を味わいに、電車を乗り継いでも行きたくなる店を厳選。
本誌初登場の新店も盛りだくさん。
エレガントで滋味深い、せいろの魅力ココにあり!

撮影/大西尚明
取材/肥田木奈々

上質な和空間でしっぽり楽しむ本格手打ち蕎麦
しろう (表参道)

若者で賑わう表参道の街にひっそりと佇む古民家風の一軒家。重厚感漂う格子戸を開ければ、古材を使った温かみのあるインテリアが迎えてくれる。大人がゆるりとくつろげるこちらは、オーナーの蕎麦好きが高じて日本料理店から転向した店。その道40年の蕎麦打ち名人・永山寛康さん監修の本格手打ちが味わえる。
天せいろ 1680円/蕎麦粉の産地は北海道や茨城などから時季によって変え、せいろは粗挽き粉を使う。鼻に抜ける香りと滑るようなのど越しだ。せいろ用のつゆは本枯節のみのダシで仕上げる。本わさびは西伊豆の高級品。天ぷらは大エビと季節野菜

 

粗挽き粉を使った風味豊かなせいろは基本的に二八で打つが、その日のおすすめや蕎麦粉の状態により十割や外一でも提供。ほかにも挽きぐるみを中太打ちした田舎風など、挽き方と打ち方が異なるさまざまな味わいを堪能できる。どこか懐かしい和空間に身をゆだねる時の流れもまた愉しく、蕎麦前で一献もよし。大切な人を連れて行きたくなる店だ。
カウンターごしに蕎麦打ちの様子が見られることも
変わり蕎麦(大葉) 950円/3日によって変わり、取材時は大葉。刻んで更科粉に打ち込み、少し平打ちにすることで独特の香りを際立たせる
そば豆腐 450円/豆乳をベースに蕎麦粉と吉野本葛で練り上げたもの。かえしとみりんを合わせたとろみのあるタレでいただく
名人永山さんが技術指導。週末は数回蕎麦打ちをすることも

蕎麦にまつわるエトセトラ

近ごろ麺類をすする音がヌーハラだとか、蕎麦湯が受け入れられないだとかが話題に。好きに食べていいのだけれど、これを機に、蕎麦の美味しい食べ方を簡単におさらいしよう。

麺を"すする"のはナゼ?

もりやせいろを、すすることで、麺と空気が一緒に口に含まれることに。結果、香り成分が鼻腔を抜け、より蕎麦の香りを愉しむことができるのだ。温蕎麦は麺とつゆとが絡みやすくなるだけでなく、すする時の空気が麺を食べやすい温度に冷ます効果もある。

薬味はどう使う?

蕎麦に含まれる栄養素の吸収を高める(ネギ・わさび)、消化を助ける(大根)といった働きもある薬味。だからと言って、最初から全量をつゆに入れると、薬味による味の変化が愉しめない。蕎麦の上に少量ずつ乗せてつゆにつけ、その味わいの変化を愉しみたい。

蕎麦湯は必要?

蕎麦湯をつゆに注いで飲むと、冷たいつゆのままではわかりづらかったダシの香り、旨みが愉しめる。加えて蕎麦湯には、蕎麦に含まれるルチンやビタミンBといった栄養素が溶け出しており、栄養素を摂取することにも繋がる。蕎麦湯はぜひ飲むようにしたいものだ。