XUNTOKYO01
- 40男、至高のグルメガイド -

麻布十番「THE XUN TOKYO」で味わう艶やかな貝づくし

かつてフランスの詩人、ジャン・コクトーは「私の耳は貝の殻 海の響きを懐かしむ」と詠んだ。ロマンチックなこの詩にちなんで、大人の男女の恋を描いた『貝殻〜コキーユ〜』(99)なんて映画もあった。焼き肉より断然色っぽい、貝づくしの大人の店は、大人の街・麻布十番にある。

女性連れの40代男性客に人気の高級コース「鳳凰白湯」

「THE XUN TOKYO」伴野勝一支配人によれば、40代の男性客には、きれいな女性を同伴し、贅沢に食事を楽しむ人が多いのだとか。その場合、3種類のコースメニューの中でも、いちばん高級な「鳳凰白湯」コース(一人前のプライスは9800円)のオーダー率が高いという。人気の「旬貝白湯」コース(6800円)との大きな違いは「オマール海老とつぶ貝の鉄板焼き」と、いまが旬の「蟹のしゃぶしゃぶ」。三つ葉をあしらった、和風仕立てのエスカルゴバターソースでいただく「つぶ貝の鉄板焼き」に舌鼓を打ちながら、二人でボトルを空けてしまう客が多いというのも納得だ。

「お酒がよく進むお客様には、スープもたくさん召し上がる方が多いですね。貝に多く含まれるオルチニンの効果で、二日酔いにならないそうですよ」と話すのは、保科朝美シェフ。五臓六腑に染みわたる名物・旬貝白湯は、中国の「粥底火鍋」を日本風にアレンジした、シェフのオリジナルスープである。干しエビや貝柱を煮込んだものに、お粥を加えてとろみを出した、滋味あふれるスープに、新鮮な貝や野菜、きのこなどをしゃぶしゃぶして、4種類のタレでいただく。一人ひと鍋のスタイルには、それぞれのペースで、食事を楽しんでほしいというシェフの思いが込められている。

「同じ食材でも、スープに入れるタイミングで、最後のスープの味が全然違ってくるんです。十人いれば、十通りの味がある。私のオススメは、後半にエビの頭を入れたり、貝に添えた海草類も入れちゃう食べ方」(保科シェフ)。

一方、伴野支配人のオススメは「濃い目のスープが好きなので、貝は早めに入れてじっくり煮込み、野菜はさっとくぐらせる程度で」とのこと。貝の旨みが濃縮されたスープを絡ませる、締めの焼き麺も大好評だが、年明けには、ウニとイクラを載っけた焼きおにぎりも登場予定。どちらを選ぶか、贅沢な悩みだ。

女性客が喜ぶ、趣向を凝らした特製サラダ。カラオケつきの個室も完備されている

食べる人の好みで、味が変わっていく趣向は、ほかのメニューにも凝らされている。例えば特製サラダは、それぞれに味つけされた野菜を、混ぜて食べるもよし、そのままもまたよし、のフリースタイル。

「3種類の前菜、サラダ、デザートなどは、2週に一度のペースで内容を変えています。最近では、旬の白菜を使ったサラダにトッピングした、角切りリンゴを、彩りに添えたキャロットラペと一緒に食べると、甘みが増しておいしいと、女性のお客様に好評でした」(保科シェフ)。
冒頭、カップル客について書いたが、低脂肪、低カロリーの貝に引き寄せられる女性同士はもちろん、疲労回復効果への期待からか、男性同士での来店も少なくないとのこと。「フルコース召し上がっていただくと、意外とボリュームがあって、男性の方にも満足感を感じていただけると思います」(伴野支配人)。

さらにはとっておき、なんとカラオケつきの個室も完備。恋人にちょっと見栄を張りたいとき、気の置けない友人とゆっくり食事したいとき、グループでめでたい一席を設けたいときなど、シチュエーションに応じて、またそれぞれの流儀で、多彩な楽しみ方のできる、大人の店だ。

Text by Kana Ishimura