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過去最大級! 水玉の女王「草間彌生」展覧会

世界的な人気を誇る日本人アーティストであり、2016年に文化勲章を受章するなど、87歳となった現在も精力的に創作活動を行う前衛芸術家の草間彌生氏。その作品を一同に集めた過去最大級の展覧会「草間彌生 わが永遠の魂」が、2017年2月から東京・六本木の国立新美術館で開催される。

連作絵画シリーズ「わが永遠の魂」から約130点を初公開

草間氏の日本での大規模な展覧会は2012~2014年の巡回展「永遠の永遠の永遠」以来、5年振りに開催される。今回は絵画シリーズ「わが永遠の魂」から日本未発表の約130点を展示、併せて初期からこれまでに発表した作品も数多く紹介する。

連作絵画シリーズ「わが永遠の魂」から約130点を初公開
《いまわしい戦争のあとでは幸福で心が一杯になるばかり》2010年 (C)YAYOI KUSAMA

1929年、長野の種苗農家の末娘として生まれた草間氏は幼いころから幻視体験を繰り返し、10歳から水玉と網模様をモチーフに絵を描き始めた。国内の展覧会への入選等を経て1957年に渡米、どこまでも広がる網目模様が特徴の「無限の網」で注目を集め、その後は性や食物をテーマとした「ソフト・スカルプチュア」や、自身の表現の中に埋没する「消滅」という手法を生み出し、街中へ繰り出しての「ハプニング」と呼ばれる芸術活動など、様々な現代アートを展開した。1973年に帰国した後も絵画や彫刻以外に『クリストファー男娼窟』といった小説も発表するなど、幅広い分野で活躍している。

(C)YAYOI KUSAMA

その草間氏が2009年から精力的に取り組んでいるのが、大きな正方形のカンヴァスにイメージが広がるままに描かれた「わが永遠の魂」だ。カンヴァスに向かった草間氏は一切下絵を描かず、絵筆を持つや否や、即興的に描き始める。この色彩に溢れた、あるところでは反復し、生命力に溢れ、まるで無限の宇宙を感じさせるような広がりのある巨大な絵画群は、見る人を圧倒することだろう。

初期の作品から最新作までを網羅

この展覧会では「水玉の女王」と呼ばれるほど草間氏の代名詞となっている水玉や、同じく生涯のテーマである網目をモチーフにした作品、柔らかな素材でできた彫刻作品であるソフト・スカルプチュアなど最新作までが一堂に会しているのも見どころだ。

また無数にセットされた小さな光が鏡張りになった面に映り込み、どこまでも世界が広がっているように見える部屋「生命の輝きに満ちて」は、無限に反復し増殖する世界を体感することができる。そして屋外展示場には水玉ガーデンが出現、水玉をまとった高さ4.5メートルの「南瓜」などが展示され、一部作品の中へ入ったり撮影したりすることも可能という。

初期の作品から最新作までを網羅
《生命の輝きに満ちて》2011年 Courtesy of Ota Fine Arts, Tokyo / Singapore; Victoria Miro Gallery, London; David Zwirner, New York (C) YAYOI KUSAMA

《南瓜》2007年 フォーエバー現代美術館蔵

草間氏は自身の半生を綴った著書『無限の網』で「だから私は、これからは日本で誰もやってないような新しい世界と新しい思想を作っていくつもりである。これから先、もしも四百年ぐらいかからないと全部できないという仕事を前にして、それでもいま私は出発する、そんな気持でいるのだ」と書いている。本展開催中に88歳となる草間氏はこれまでも、そしてこれから先もずっと戦い続けるアーティストなのだ。この機会に圧倒的な存在感を誇る数多くの作品をぜひ体感してほしい。

Text by Tamotsu Narita