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メルセデス・ベンツの電気自動車ブランド「EQ」とは?

世界中の自動車メーカーが「電動化」に向けて急ピッチで開発を進めるなか、ドイツ車勢はEV(電気自動車)専用のブランドを立ち上げ、プレミアムな価値を与えていく方向に舵を切ったようだ。ひと足先にEVブランド『BMW i』をスタートさせ、『i3』や『i8』を生産するBMWに続き、その永遠のライバルであるメルセデス・ベンツもEVに特化した新ブランド「EQ」を発表。2020年までに「EQ」の市販モデルの発売を目指すという。

メルセデス・ベンツ『GLC』を未来的にしたような『ジェネレーションEQコンセプト』

メルセデス・ベンツは、パリサロン2016で1台のコンセプトモデルを発表した。同社のミドルサイズSUV『GLC』を未来的にアレンジしたようなデザインを持つこのクルマは、『ジェネレーションEQコンセプト』と名付けられ、メルセデス・ベンツが考える電動車両の未来を模索したものだ。

メルセデス・ベンツは現在、「Connected(コネクテッド)」「Autonomous(自動運転)」「Shared & Services(シェア&サービス)」「Electric Drive(電動化)」の4つをキーワードとしており、ジェネレーションEQコンセプトも、それに則っている。

パリサロン2016では、これが単なるコンセプトカーではなく、2020年までの市販を目指していること、「EQ」を同社のEVブランドとして用いていくことが、ダイムラーのディーター・ツェッチェCEOから発表された。仮にブランド名が「メルセデスEQ」となれば、「メルセデス・ベンツ」「メルセデスAMG」「メルセデス マイバッハ」に次ぐ、4つ目のメルセデスとなるわけだ。

メルセデス・ベンツ『GLC』を未来的にしたような『ジェネレーションEQコンセプト』

サイドミラーの代わりにカメラを装着、ワイパーもボディ内に格納される空力ボディ

ジェネレーションEQコンセプトは、クーペライクなSUVスタイルのボディの下に、フロントとリヤにひとつずつ、計2機のモーターを搭載し、4輪を駆動する。システム合計出力は408ps、最大トルクは71.4kgmに及び、0-100km/h加速は5秒以下だという。

プラットフォームは、スチール、アルミニウム、カーボンファイバーの混成設計。フロアの下にリチウムイオン電池を搭載するEQのために新開発されたもので、SUVのほか、セダンやクーペなど幅広いボディを構築することが可能となっている。

空力性能にこだわってデザインされたボディは、サイドミラーの代わりにカメラが装着され、リモートオープンによりドアハンドルを廃止。ワイパーですらボディのなかに格納される徹底ぶりだ。21インチという大径ホイールも、エアロダイナミクスを考えられてデザインされたもの。フラットなデザインのフロントマスクは、EQブランドのアイコンとしてシリーズに共通して用いられるものと思われる。

サイドミラーの代わりにカメラを装着、ワイパーもボディ内に格納される空力ボディ

「EQ」ブランドの市販車第1号は2020年までに発売、本格的なEV時代の幕が開ける

インテリアは、真横に広がるインストルメントパネルに24インチのフローティングディスプレイが備わることが特徴的。タッチスイッチが採用される細身の3本スポークステアリングは、どこかクラシカルでもある。

しかし、これは懐古的なのではなく、普遍的なデザインを採用した結果だろう。フラットなインストルメントパネルに、フローティングタイプのディスプレイというシンプルなデザインのインテリアは、BMW『i3』や、先ごろ日本でも発売されたシトロエン『C4カクタス』にも似ている。

「EQ」ブランドの市販車第1号は2020年までに発売、本格的なEV時代の幕が開ける

パリサロン2016では、フォルクスワーゲンもEVブランド「I.D.」を計画していることを発表した。BMWには、すでに「BMW i」がある。ドイツ車勢は、EVを独立したプレミアムブランドとして育てていくようだ。EQもI.D.も、2020年までに市販モデルを発売することを目標としている。

アメリカや日本の自動車メーカーはすでにEVを販売しているとはいえ、どうやら本格的にEV時代の幕が開けるのは、2020年となりそうだ。たしかに、ジェネレーションEQコンセプトの内外装を見てみると、未来的ではあるが、けっしてコンセプトカーにありがちな非現実的なものでもない。「未来の自動車」は、もうすぐ近くまできているのである。

Text by Muneyoshi Kitani