アウディS1限定モデル画像01
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幻の最強モデルをイメージしたアウディ『S1』限定車

アウディ『S1』の車名は、1980年代のWRC(世界ラリー選手権)を席巻した伝説のラリーマシンに由来する。このS1をベースに、2012年に欧州限定333台が発売された『A1シリーズ』の最強モデル、『A1 クワトロ』へのオマージュとして作られたのが限定モデル『S1 クワトロ リミテッド エディション』である。いくつもの専用パーツが装備され、A1クワトロをイメージした内外装が施されたコンパクトなスポーツモデルだ。

WRCを席巻したラリーマシンのDNAを受け継ぐアウディの最小ホットハッチ『S1』

S1は、アウディ最小のハッチバック『A1』に、最高出力170kW(231ps)、最大トルク370Nm(37.8kgm)を発生する2L直列4気筒ターボエンジンを搭載した高性能バージョンだ。

このホットハッチには、A1同様に3ドアと5ドアの『スポーツバック』が用意され、アウディならではの四輪駆動システム「クワトロ」にオーソドックスな6速MTが組み合わされる。最近では珍しくなった3ペダルのMTで1300kg台の軽量ボディを振り回す感覚は、扱いきれないほどの大パワーを誇るスーパーカーとはまた違った“走る愉しみ”がある。

S1という名前から、かつてWRCのグループBを席巻した『スポーツクワトロS1』を思い出す人もいることだろう。もちろん、両者はまったくの別物だが、コンパクトな軽量ボディに2L級のエンジン、6MTとクワトロシステムを組み合わせる点など、共通点は多い。現代のS1は、かつて世界を圧巻した韋駄天のDNAを受け継いでいるのだ。

マニアックな仕様ながら世界各国で高評価を受けた特別限定モデル『A1クワトロ』

『S1 クワトロ リミテッド エディション』は、2012年に限定発売された『A1クワトロ』をイメージしたモデルだ。

S1は今でこそカタログモデルとしてラインナップされているが、A1の発売当初はFFモデルしか存在しなかった。そこに、特別限定モデルとして登場したのが、252hpの2.0L 4気筒ターボエンジンに6MTとクワトロを組み合わせたのがA1 クワトロだった(下の写真)。

A1はフォルクスワーゲン『ポロ』とプラットフォームを共有する。FFしか設定されていないシャシーに4WDを組み込むのはコスト面を考えると難しいことだが、それをアウディはA1クワトロで断行。かなりマニアックな仕様だったが、逆にそれが高評価を受け、高性能スポーツモデルの証である「S」の冠を配したS1の発売につながった。

A1クワトロの内外装を継承した限定車『S1クワトロ リミテッド エディション』

A1クワトロは、先進的で力強いデザインが特徴だったが、S1 クワトロ リミテッド エディションもそれを継承している。

A1クワトロに倣い、内外装にアウディのパーソナリゼーションシステム「アウディ エクスクルーシブ」でしか選択できないブラックハイグロススタイリングパッケージを採用し、ボディ全体をスポーティかつ精悍に引き締めた。

レッドのアイラインを引いたバイキセノンヘッドライトは、まさしくA1 クワトロを彷彿とさせる演出だ。足元にはマットブラックの18インチアルミホイール。大型のリヤウイングも、まるでラリーカーのようなスタイリングに華を添える。

インテリアにも、アルミ製シフトノブ、ファインナッパレザー、カラーシートバックを採用したSスポーツシートなどを装備。A1クワトロ譲りのアグレッシブさが、ボディ全体から溢れている。

パワートレインは、通常モデルと同じ2L直列4気筒ターボエンジンと6段MTの組み合わせだ。
A1クワトロは日本に導入されず、幻のモデルになってしまったが、その個性はS1クワトロ リミテッド エディションで十分堪能できるだろう。価格は3ドアの『S1 クワトロ リミテッド エディション』が449万円から、5ドアの『S1 スポーツバック クワトロ リミテッド エディション』が471万円からとなっている。販売されるのは、それぞれ25台と90台、計115台のみだ。

Text by Tetsuya Abe