自分を守ってくれる保険、ムダな保険の見極め方
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自分を守ってくれる保険、ムダな保険の見極め方

生命保険、がん保険、火災保険など、何かあったときのために、こうした保険に加入している方も多いだろう。でもその保険、本当に必要だろうか? ファイナンシャルアカデミー代表・泉正人先生によれば、「PML」と呼ばれる指標を生活分野に応用することで、その保険の必要性を見極めることができるとか。今回は、「PML」を通じた保険の見なおし方を教えてもらおう。

■今回のアドバイザー
 ファイナンシャルアカデミー代表
 泉正人さん

ファイナンシャルアカデミー代表、金融学習協会理事長。受講生30万人を超える独立系ファイナンシャル教育機関として、経済、会計、財務、経済新聞の読み方、マネープランなどから、株式投資、不動産投資などまで、幅広い「経済とお金の教養が身につくマネースクール」を運営する。主な著書に『お金の大事な話』(WAVE出版)、『お金の教養』(大和書房)などがある。

公式サイト:ファイナンシャルアカデミー
http://www.f-academy.jp/

「PML」ってなんだろう?

泉さんが保険について考えるときに、最も重要視しているという「PML(Probable Maximum Loss)」は、日本語にすれば『予想最大損失額』。巨大地震により建物に損害が生じた場合、その損害額が建物価格に対して何%になるかという数値を示すものだ。

算出方法は、

予想される最大の損失(補修費)÷再調達費×100(%)

数値が小さいほど安全というわけではなく、その建物の地震による被害が小さいということになる。例えば再調達費(現時点で新築したときにかかる費用)10億円の建物があるとして、巨大地震を受けた場合の補修費が最大2億円かかるときのPMLは20%となる。

泉さん「本来、PMLの対象は『巨大地震の発生』ですが、これを病気やけがをした場合、あるいは自動車事故にあった場合など、生活上起こりうる事項に置き換えてみると、想定されるリスクが具体化してきます。

例えば、PMLでリスクの大小がわかれば、必要な保障も見えやすくなります。たとえば、『大』のリスクに対しては保険にも優先的に加入し、『小』や『中』のリスクに対しては保険料負担の少ない保険に加入する、もしくは保険には入らずに貯蓄で準備する。こうした臨機応変な対応ができるようになるのです」

必要な保障はライフステージで変わる

ただし、リスクの大小はライフステージによって変わる。というのも、保険に加入する最大の目的は、『残された家族の生活費』に対する保障であり、家族の生活費は、結婚、出産、マイホーム購入など、その時々の状況によって変わるからだ。

泉さん「結婚直後であれば、配偶者に何かあっても自分が働きに出ることが可能となるので、必要な保障も小額で済みますよね。一方、子どもが生まれれば、その子が独立するまでの生活費を担保する必要が出てきますから、その場合は死亡保障などの額を上げもよいと思います。しかし、子どもが成長するにつれて、必要になる額は減っていくことを覚えておきましょう」

また、日本では住宅ローンを借りてマイホームを購入した場合は、「団体信用生命保険」への加入が義務付けられている。借り主にもしものことがあったときは、この保険によってお金がもらえて、住宅ローンの返済に充てることができるのだ。

泉さん「つまり、この場合は住宅に対する保障を減らすことが可能になります。このように、必要な保償額は家族の就業状況やライフステージによって変わっていきます。PMLを見極め、適切な保険の利用を心掛けていくようにしましょう」

生命保険を見直すときの3つのポイント

泉さん「ライフステージごとに保障額が変わる保険で、最も調整が必要なのが『生命保険』です。生命保険のPML(予想最大の損失額)は、『いつまで使えるか』『いつまで払うか』『どんなときにもらえるか』の3つの視点で考えましょう」

●いつまで使えるか?
一生使えるタイプの「終身保険」と5年、10年間だけ使える「定期保険」の2種類にわけられる。自分が入っている保険は、いつまで保障されているのかをあらためて確認してみるとよい。

●いつまで払うか?
これは保険加入時に決めることが大半。新しい保険に入ろうとする場合にも、途中で保険料が高くなるタイプもあるため、ライフステージに合わせて適切な金額の保障となるよう考えてみよう。

●どんなときにもらえるか?
「もしもの死亡」以外にも、「がん」や「介護が必要」になったときなどに備えられるさまざまなタイプが用意されている。保障をたくさんつければ安心だが、保険料はその分高くなる。自身の年齢や家族の状況などを踏まえ、具体的に考えていこう。

保険は、長期間にわたって支払い続けるもの。だからこそ加入当時のままにするのはNG。再度保険を見直すことで、少しずつ家計を改善していけるはずだ。

最後にアドバイザーからひと言

「必要となる保障額はライフステージによって変わる。PML(予想最大損失額)を見極めて適切な保険の利用を心がけよう」

Text by Ayaha Yaguchi