CHALIE VICE 小山薫堂
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CHALIE VICEという男を紹介しよう from 小山薫堂

いつも世界中を飛び回り、人生を愉しむ術を知り尽くしているチャーリー・ヴァイス。チャーリーの周りには面白いヒトやモノ、コトが集まってくる。それはなぜなのか?

記念すべき第1回はチャーリーの友人でもある小山薫堂氏にご登場いただき、チャーリーの人物像に迫ってみた。

チャーリーとの出会い

銀座 寿司幸本店で居合わせたんです。「シャコ」を注文していて、ご主人の杉山さんに「シャコ」のことを「ガレージ(車庫だけに)」と言って笑わせるユーモアもある。食文化に限らず、非常に好奇心が旺盛で友達も多く、独自の臭覚によってその土地のいちばん面白いコト、素敵なモノにたどり着く名人なんです。とはいえ、出会った当初より歳を重ね、最近は何かを追いかけるというよりは「自分がどのように過ごすか」ということに哲学や思想を見つけているような気がします。

チャーリーの「適度にゆるい」魅力

世界中をフラットに見ていますね。目利き力があるので、それぞれの土地のいいところを知っていて、それらをくっつけたり和えたりしている。土地土地に友達がいるからできるのでしょう。心はもちろん、表に出てくる雰囲気にもバリアがないから話しかけられやすい。陽気なところもあるし、適度なゆるさがが魅力になっているように思います。
僕は「ゆるさ」とは「許す」ことだと思うんです。以前石田純一さんが「教養とは人を許すためにある」と言っていて素晴らしいと思ったのですが、若ければ若いほど自分の信じているもの以外は正しくないと思いがちじゃないですか。大人になるというのは、それだけ知識が増えてそれぞれのビジョンを理解できるようになり「許せる」ことなんですよね。チャーリーにはそういう知性や教養があってゆるい。それでいて遊び心を常に持っているところがカッコイイのではないでしょうか。

チャーリーから学ぶ人生を豊かにするヒント

人と人を惜しみなくつないでいくんです。自分の素敵な友人を、誰かの友人にすることができる。男女を問わず人にはどうしても「嫉妬」という感情が付きまとってしまうと思うんです。この人は自分のためだけにとっておきたいとか、この人脈は渡したくないとか。だけどチャーリーは、その人のためにプラスになるのであれば、その人が喜んでくれると思ったら、当たり前のように提供するんです。彼が面白いコトを見つけたり、素敵なところにたどり着けたりするのは、そこにヒントがあるような気がします。僕もチャーリー・ヴァイスのような男になりたいと、何度も思ったことがあります。

日本のお風呂文化を広めたい

チャーリーは世界中の文化に長けていて、あちこちで遊んでいるわりにはそれぞれの国の根幹となっているような文化に興味を持って学んでいるようです。最近、僕は日本のお風呂文化を「湯道」として広めたいと思っていて、いわゆる茶道のようにもっと精神性に寄せたものなんですが、そもそも飲める水を沸かして人が毎日入っている国って、世界中を探してもないですよね。今まで本能的にお風呂に入ってきたけれども、公衆浴場なら周りの人に迷惑をかけないようにと他者を慮る気持ちを育んでくれるものだと思うし、僕はお風呂に入るとアイデアがひらめいたり、今の生活を省みてみたりと、哲学的に自分を見つめるような時間になるんです。
もしお風呂が「湯道」に昇華すれば、茶道でいうところの抹茶碗のように、風呂桶のような道具がただの実用品ではなく、日本の職人さんたちの作品にスポットを当てることになるし、日本の手仕事の保護にもつながるのではないでしょうか。チャーリーにこの話をしたら、「面白い!」と言ってくれて、外国でも広めようと夜な夜な作戦を練っているところです。

Text by Maiko Shimizu
Photographs by Chicken Shinoyama

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