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ポルシェ911より速い!? 電動4輪バイク「E-WAZUMA」

最近、「X-cart(エクスカート)」という、普通自動車免許で公道走行ができる車輪むき出しの乗り物が巷を賑わせている。これは「ミニカー」といわれ、道路運送車両法では原動機付き自転車だが、道路交通法では普通自動車の扱いとなる車両だ。そのため、ヘルメットの着用義務はなく、また最高速度は60km/h制限となるので、街中をビューンと軽快に走行できるカートとなっている。さて、ここに紹介するのは、そんなミニカーとは比較にならないスタイリングとパフォーマンスを持つ電動4輪バイク。最大トルクはポルシェ「911カレラ」よりも大きいという、「E-WAZUMA(イーワズマ)」だ。

フェラーリ製V8エンジンやBMW製V12エンジンを搭載するクレイジーな4輪バイク

スイスのジュネーヴからほど近いフランスの街に本拠を構えるLazareth(ラザレス)社は、カスタムバイク&カーを作る風変わりな、もっといえばクレイジーなバイクやクルマを造るメーカー。

ラザレス社の名を世界に知らしめたのは、クルマのエンジンを搭載した“4輪バイク”の「WAZUMA(ワズマ)シリーズ」だ。たとえば、470馬力のマセラティV8エンジンを搭載した「LM 847」、フェラーリ製V8エンジンを積んだ「ワズマV8F」、さらに、BMW製V12エンジン搭載の「ワズマV12」…。
こうしたクレイジーな4輪バイクを多数開発し、リリースしているのである。その全貌は、アメリカが生んだカスタムカルチャーの「ホットロッド」さえも舌を巻く、過激で激アツなモデルばかりだ。

そのままドラッグレースに出場可能、電動4輪バイク「イーワズマ」の驚異のスペック

このラザレス社が最近開発したのが、「E-WAZUMA(イーワズマ)」だ。左右の後輪に1基ずつモーターを装備する電動4輪バイクで、車輪むき出しの前衛的なスタイリングもさることながら、驚かされるのはパワーユニット。イーワズマの最大トルクはなんと490Nmと、450Nm/1700-5000rpmを発生するポルシェ「911カレラ」より勝っているのだ。

クルマのエンジン回転と違い、イーワズマは停止状態からすぐにこのトルクを発生するため、まさにロケットに乗っているかのようなものすごい加速が期待できる。その強烈なパワーとG(重力加速度)を考えると、アクセルは簡単には開けられず、「果たしてちゃんと曲がるのか?」という疑問も浮かんでくる。

ゼロヨンのタイムを競うドラッグレースなら、イーワズマは間違いなくこのままで出場できるだろうし、アラブの石油王の息子などが「砂漠を爆走するのにちょうどいい」と、興味を持つかもしれない。いずれにせよ、クレイジーな車両には、クレイジーな場所と感覚が必要となるはずだ。

イーワズマが搭載するパワーユニットは、フランスのNTN-SNR社と共同開発した、左右の後輪ホイールの内部に装備した電動モーター。いわゆる「インホイールモーター」という駆動方式を採用する。これは次世代のコンポーネントといわれ、駆動力がほとんどロスなくホイールへ直接伝達できるため、従来型のギアなどによるエネルギーの損失がなく、最大限のパワーを発揮する駆動方式だ。また、重量や容積、費用、保守などの点でも有利だという。

従来のEV車のイメージを大きく覆す、近未来のXゲーム的スタイリングを見よ!

ワズマシリーズの開発責任者は、社名にもなっているルドビク・ラザレスで、彼の略歴を見れば、ワズマのDNAを知ることができるだろう。ラザレスはフランスにあるカースタイリングと技術開発の訓練校である「Espera Sbarro」を卒業し、創設者であるフランコ・スバーロの弟子のひとりだ。ラザレス社の他のバイクにも共通する車輪むき出しのスタイリングは、ここを原点にしているようだ。

とくに、このイーワズマは、現在発売されているエコ的要素を多分に含んだ電動車両のイメージを大きく覆す、近未来のXゲーム的なデザインとなっている。現在のところ、この電動4輪バイクはプロトタイプだが、公道仕様も要望によっては製作可能だという。もしかすると、いつの日か、現在のX-cartのように日本の公道を疾走するイーワズマを見かける日がやって来るかもしれない。

Text by Katsutoshi Miyamoto

Photo by (C)Lazareth