伝説のアート集団「ヒプノシス」メンバーが遺したリトグラフ
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伝説のアート集団「ヒプノシス」メンバーが遺したリトグラフ

レコード・ジャケットを芸術の域にまで高めたアート集団「ヒプノシス」

ヒプノシスは1968年、ロンドンでストーム・トーガソンとオーブリー・パウエルによって作られたデザイングループで、後にピーター・クリストファーソンが加入。レッド・ツェッペリン、ジェネシス、10cc、ピーター・ガブリエル、ELO、YES、UFO、バッド・カンパニー、AC/DC、日本では松任谷由実などのジャケットも手がけたアート集団だ。

ヒプノシスは1983年に解散。トーガソンは独立し、引き続き様々なアーティストのジャケットを作成した。そのトーガソンが手がけた作品がシルクスクリーンでプリントされたものが「ヒプノシス/ストーム・トーガソンコレクション」だ。トーガソン直筆サインとナンバリングの入ったリトグラフは、この機会を逃すともう手に入らない希少品だ。

70年代から90年代の名作ジャケットがリトグラフに!

「ヒプノシス/ストーム・トーガソンコレクション」から作品を紹介しよう。
2016年3月に亡くなったイギリス出身のキーボーディスト、キース・エマーソン。彼がプログレッシヴ・ロックバンドのエマーソン・レイク・アンド・パーマーを結成する前に在籍していたのがナイスだ。1971年にリリースされたラストアルバム『エレジー』のジャケットは、トーガソンの見た夢がアイデアの元になっているそうで、撮影場所はサハラ砂漠、ライン状に置かれた50個の赤いボールが印象的だ。全世界150枚限定、価格は97,000円。
90年代のオルタナティブ・ロックシーンを代表するイギリスのバンド、ザ・クランベリーズの4枚目のアルバム『バリー・ザ・ハチェット』は、インディアンの聖地であるアメリカのモニュメント・バリーで撮影された、「雲一つない真っ青な空と全てを見透かす大きな目」というコンセプトで作られたジャケットだ。このアートワークがきっかけとなり、トーガソンとの関係はバンド解散まで続くこととなった。全世界125枚限定、価格は150,000円。
ヒプノシス時代からジャケット制作に携わっているプログレッシヴ・ロックの雄、ピンク・フロイド。このジャケットは1993年に行われたツアーの模様を収録したライブ盤『驚異』のジャケットだ。巨大なオブジェに海と空というスケール感を楽しめる。全世界295枚限定、価格は149,000円。

この記事のトップの画像になっているのが、Yesの『究極』のジャケットだ。3面開きのすべてをプリントしているため幅120センチ(額装含む)という迫力の大きさとなっている。またカラフルなライン部分には光沢のあるプリントが施されており、オリジナルのジャケットとはひと味違った印象を与えてくれる。全世界99枚限定、価格は185,000円。

これ以外にもミューズ『アブソルーション』、10cc『ルックヒアー!!』など全14作品が販売されているが、限定のため売り切れ次第で終了となる。購入を希望する人はタワーレコードオンライン、もしくはストレンジ・デイズのオフィシャルWebショップにアクセスして欲しい。

アルバムタイトルに歌手の名前と顔写真といった「宣伝」のためでしかなかったジャケットに新しい概念である「デザインコンセプト」を導入、数々の特撮や写真加工などを施して、芸術の域にまで高めたと賞賛されるヒプノシス。彼らが手がけた作品は日常に溶け込んだ非日常を描き出すのが特徴で、シュールなイメージを感じさせる現代アートであり、そのクオリティの高さと斬新さには今なお驚かされる。ジャケットは直径30cmのレコードの時代から直径12cmのCDに、さらに21世紀に入ってからは画面上の小さな画像となってしまったが、「ヒプノシス/ストーム・トーガソンコレクション」はジャケット=アートであることを再確認させてくれるだろう。

※価格表記は8/16時点のもの。販売価格は全世界の流通残数に伴い変動することがあります。

Text by Tamotsu Narita