日本初の専門店で高級魚“のどぐろ”を食べつくす
- オトナだからこそ味わいたい!極上の逸品 -

日本初の専門店で高級魚“のどぐろ”を食べつくす

別名“白身魚のトロ”といわれるほど、深く、濃く、甘みのある旨味をもつ高級魚、のどぐろ。塩焼きがポピュラーだが、刺し身、煮付け、しゃぶしゃぶ、さつま揚げ、燻製、姿揚げなど、なかなかお目にかかれない調理法でのどぐろが堪能できる、日本初ののどぐろ専門店が「銀座 中俣」だ。

主力ブランドは長崎県・対馬沖のブランド「紅瞳」

「銀座 中俣」は、鹿児島県指宿市で100年以上続く焼酎蔵「中俣合名会社」が、八丁堀の「茂助」「中俣酒造 茂助」「中俣酒造 館」に続いて都内で直営する4つめの飲食店だ。焼酎に合う鮮魚や九州料理を楽しめる前3店で提供されるのどぐろが好評だったため、のどぐろに特化した「銀座 中俣」を2015年10月に開店した。大将が各地ののどぐろを食べ比べて選んだ主力ブランドは長崎県対馬沖の「紅瞳」。北陸のものより濃厚で脂がうまいので、刺し身はもちろんのこと、火を通すことでさらにポテンシャルが引き出されるという。
のどぐろは1年を通して楽しめる魚だが、冬は脂のりがさらに良くなり、夏は子持ちに出合うこともある。「銀座 中俣」は、築地に通って10年になる大将が、その日その日で最高ののどぐろを仕入れ、個体ごとに適したメニューに振り分け、すり身や出汁をとるなどして、捨てることなく使い尽くす。

この店の力量を知るには、のどぐろを多彩な調理法で楽しめる3種類のコースに身を委ねるのが正解だ。もっともリーズナブルな「のどぐろコース」では、薄造りと厚切りを食べ比べできる刺し身、塩焼き(半身)、さつま揚げ、しゃぶしゃぶ(雑炊)といったのどぐろ料理に、前菜とデザートがついて8500円。「のどぐろ極上コース」(10,000円)はシメの雑炊が「のどぐろ一尾丸ごと土鍋ご飯」となる。そして「最上級のどぐろ尽くしコース」(13,000円)は、刺し身が姿造りとなり、炙りも味わえる。また、塩焼きが一尾使った姿焼きとなる。
刺し身は、自家製のポン酢と醤油の香りの高さにまず驚かされる。ポン酢か藻塩で食べることにより、薄造り(単品1480円)はのどぐろ本来の味わいがストレートに伝わる。一方、厚切り(単品1780円)の魅力は、甘めの醤油に負けることのない、もちもちの食べごたえにあり。
看板メニューは一匹500gはあるのどぐろを丸々焼き上げた「のどぐろ姿塩焼き」(3980円)だが、コースの半身でその威力はじゅうぶんに伝わってくる。香ばしく焼きあげた塩焼きは、脂がしたたりおちるほどジューシーなので、すだちをたっぷりかけて、大根おろしとともに味わいたい。添えられたみょうがの甘酢漬けもいいアクセントだ。
のどぐろのすり身を使った弾力のある自家製さつま揚げ(単品780円)を箸休めに、メインとなるしゃぶしゃぶ(単品1980円/2人前〜)は、テーブルについた店員がまず、さっとゆがいたバージョンと、全体に火を通したバージョンを食べ比べさせてくれるのが中俣流だ。その後はセルフで好みの火加減で楽しもう。のどぐろのアラを5〜6時間煮てとった出汁を使った雑炊(セット780円/1人前)にも惹かれるが、「極上コース」と「最上級のどぐろ尽くしコース」ではのどぐろを一尾まるごと使った土鍋ご飯(単品4980円/3〜4人前)を。見事に炊き上がった土鍋ご飯は、食べごたえのあるお米と香ばしいおこげに負けないのどぐろの旨味が詰まった絶品。みっちりと密度の高いご飯をアシストするのは、のどぐろの出汁に味付けしたお吸い物だ。

東京では希少な鹿児島・中俣酒造の芋焼酎

和食のコースだからお上品なボリュームだろうと思ったら大間違い。量はもちろん、のどぐろの濃厚さと旨味、そして食べごたえはすさまじく、コースを食べ終えたときに「ものたりない」という単語を思い浮かべる人はほぼいないだろう。そうなると悩ましいのが、のどぐろ燻製(1680円)、のどぐろ煮つけ(一尾/3980円)、のどぐろ丸ごと唐揚げ(1980円)、のどぐろ飯(1780円)といった魅力的なアラカルトメニューの存在だ。これらはぜひ、リピーターとなってから改めて挑戦したい。

のどぐろ料理に合わせるお酒としては、東京にはなかなか出まわらない中俣酒造の芋焼酎を試してみてほしい。香り高く爽快な飲み口がどんな料理とも合う「桐野」をはじめとする定番の8銘柄のほか、季節限定の焼酎も豊富に揃う。迷ったら、蔵元直送の3銘柄を飲み比べできる「焼酎の利き酒セット」(1,080円)や、鹿児島伝統の燗酒「黒千代香」(1,080円)もおすすめだ。
40〜50代の勤め人の、4人以上のグループが、メインの客層。ジャズが流れ、ダウンライトが照らす店内は、落ち着いてはいるが気取りがないので、デートや接待よりも、「のどぐろを食べる」という目的をもった食道楽たちが集う。土日祝は海外からの観光客や家族連れが増え、また雰囲気が変わるという。
ピークタイムは予約で埋まり、ほぼすべての客がコースを注文する。数品のアラカルトメニューをつまみに焼酎を楽しみたい左党は、お店に相談しつつ、開店直後からコース客の来店前、もしくはコース客退店後の遅い時間を狙うのも手だ。日本でここにしかないのどぐろ専門店は、40代の美食男たちに衝撃を与えるに十分な実力の持ち主だ。

Text by Kazumi Kera