99台限定、歴史的で希少なヴァンキッシュ・ザガート
- スーパーカーブランド【アストンマーチン】 -

99台限定、歴史的で希少なヴァンキッシュ・ザガート

「ザガート」は、イタリア・ミラノに本拠地を置く名門カロッツェリアだ。これまでに、数え切れないほどの名車のボディデザインや製造を行ってきた。なかでも歴史に残る1台は、わずか19台しか製造されなかった『DB4GTザガート』だろう。アストンマーティンとザガートがパートナーシップを結んだ記念すべきモデルで、1962年型がオークションに掛けられた際には、17億円を超える金額まで値を上げた。その後は、1986年に『V8ヴァンテージ・ザガート』、2002年に『DB7ヴァンテージ・ザガート』、2011年に『V12ヴァンテージ・ザガート』が誕生。アストンマーティン×ザガートは、いつの時代もマニア垂涎の的になっている。そして2016年、99台限定で、新時代のアストンマーティン×ザガートが発表された。

名門カロツェリア「ザガード」と英ラグジュアリーブランド「アストンマーティン」の融合

2016年5月にイタリア北部コモ湖畔で開催されたヒストリックカーの祭典「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ」。そこで発表されたのが、『ヴァンキッシュ・ザガード・コンセプト』だ。

50年以上に及びアストンマーティンとザガートが紡いだ歴史のなかでは、5台目のモデルとなる。アストンマーティンのスポーツ性、ダイナミズム、素材クオリティへのこだわりと、ザガート特有のデザイン・ランゲージを融合させた1台だ。

このコンセプトモデルを目にしたカーガイがおとなしくしているはずがない。アストンマーティンいわく「お客様からのかつてない強い要望を受け」、英国ゲイドンのアストンマーティン・ファクトリーにおける『ヴァンキッシュ・ザガード』の生産が99台限定で決定した。

細部に散りばめられたザガードのこだわり

搭載されているパワートレインは、最高出力が600psに引き上げられた5.9L・V型12気筒エンジン。0〜60mph(約97km/h)をわずか3.5 秒で加速する。このパフォーマンス向上に伴って、サスペンションのセットアップも見直されたという。

アストンマーティンが本質的に備えている高い洗練性及び能力は、ザガートが持つデザイン・エレメントと見事に融合した。ザガートは、モータースポーツの世界から生まれ、何年にもわたってエレガントなラグジュアリー・スポーツカーを磨き上げてきたブランド。その美しさは、純粋なスポーツドライビングを追求するための機能美でもある。
プロポーションは、典型的なアストンマーティンそのものだ。しかし、細部にわたりザガートのこだわりが散りばめられている。車体にはカーボンファイバー製ボディパネルを採用。ひとつのピースを大きくすることで、継ぎ目であるスプリット・ラインを大幅に削減させた。

また、ルーフには1950 年代初頭からザガート・デザインのシンボルとされている「ダブル・バブル」が施され、なだらかなルーフラインの曲線がそのままリア・ウインドウへと繋がり、特徴的なリア・シルエットを生みだしている。この「ダブル・バブル」も、もともとは空力への影響を最小限に抑えつつ、ヘルメットを着用したレーシングドライバーのヘッドクリアランスを確保するために採用されたデザイン。ここにも、ドライビングファーストの機能美が垣間見える。

彫刻的なリアスタイルは、『DB11』のエアロダイナミックな造形を引用。また、レースカーである『ヴァルカン』 と同じく「LEDブレード」を取り入れた円形のテールライトは、伝統的なザガートのリヤビューを彷彿とさせる。

すでに完売!? アストンマーティン×ザガートのなかでも歴史に残るプレミアムな1台

インテリアでは、アストンマーティンのクラフツマンシップが余すところなく表現された。ダッシュボードは、ヘリンボーン模様のカーボンとアルマイト処理による暗色ブロンズを組み合わせた、スポーティーかつ高級感のあるしつらえ。

また、ザガート(Zagato)のイニシャルである「Z」が、ヘッドレストにはエンボス加工で、センターコンソールにはステッチで施された。ちなみに、シートやドアセクションは、「Z」パターンのキルトで彩られている。
納車は、2017年第1四半期から開始される予定。すでに99台は完売しているという報道もある。いずれにしろ、これまでのアストンマーティン×ザガートに勝とも劣らないプレミアムで歴史的な1台になるのは間違いないだろう。

Text by Tsukasa Sasabayashi