「星のや」が大手町に実現させた東京にあるべき“日本旅館”の真髄
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「星のや」が大手町に実現させた東京にあるべき“日本旅館”の真髄

日本のビジネスのセンターとして、国内外のビジネスマンを迎える宿泊施設がひしめきあう東京・大手町。高級ホテルの“激戦区”ともいえるこのエリアに、日本各地にリゾート施設を運営している星野リゾートが参入。洋式のホテルが常識となっている大手町に、なんと“日本旅館”をオープンした。「星のや」だからこそ実現できた、“日本旅館”ならではな「おもてなし」の新境地とは…?

星のやの新しい挑戦

創業の地・軽井沢をはじめ、日本各地に35施設の非日常空間を演出した宿泊施設を展開している星野リゾート。「星のや」のブランドをつけた施設は、その土地の文化を施設内で色濃く表現しながら、圧倒的な非日常空間のある滞在と日本のおもてなしを提供することを大切にしている。今回オープンした「星のや東京」も、もちろん基本となるコンセプトは同じ。東京にあるべき「日本旅館」の姿を表現することが大きなテーマだという。
コンセプトは「塔の日本旅館」。伝統的な日本旅館は、平屋木造の建物に庭があるというスタイルだが、「星のや東京」では、地下2階、地上17階と縦の空間に日本旅館の要素を展開。建物の各所にて、江戸小紋をモチーフとした和のデザインを取り入れられている。
星野リゾート代表 星野佳路が述べる「東京にあるべき日本旅館」は入り口である玄関から存分に感じられる。エントランスの先に広がる木立を進み、大きな青森ヒバの木扉を抜けた先の施設内は畳敷き。宿泊客はここで靴を脱いで「宿」へ入ることになる。畳の上を歩くというプロセスは、まさに日本旅館ならではの文化。ファーストコンタクトから、「星のや東京」が提供する上質な“プライベート空間”が始まるわけだ。

東京・大手町に新しい風を吹かせる設備とホスピタリティー

驚くべきことに、玄関や廊下だけでなくエレベーターの中までもが畳敷き。館内は、すべて裸足での移動が可能になっている。滞在時には染色作家・斉藤上太郎氏によるデザインの着物が用意されている。着心地が良いジャージ素材を使用。館内の移動だけでなく大手町、皇居、神田などのお散歩や、ちょっとしたお買い物にも利用可能だ。「星のや東京」の宿泊者が着物のまま大手町を歩けば、新しい大手町の景色をつくることになるだろう。
客室数は、全84室で3種類の部屋がある。竹素材のクローゼットや障子が特徴の和室「桜」と「百合」(写真上)は定員2名で、広さ約50平方メートル。最も広い客室である「菊」は定員3名の、約80平方メートル。
各階には24時間自由に使うことができる「お茶の間ラウンジ」がある。チェックイン後には、静岡や京都など日本各地のお茶が用意され、夕食前後には、季節に合わせた日本酒や焼酎とおつまみが楽しめる。朝にはおにぎりとお味噌汁、そしてコーヒーのサービスなど時間に合わせたサービスが提供される。さらに、ワーキングデスクで仕事をしたり、寝転がってつかえるごろごろソファで本を読んだりとセミプライベート空間としても使うことができるので、スケジュールに合わせて自由に使って欲しい。
最上階である17階には、地下1500mから湧き出た大手町温泉がある。温泉は日本旅館の醍醐味のひとつ。露天風呂もあり、のんびりとくつろぐ時間は格別なものになるだろう。もちろん利用は宿泊者のみとなる。
観光やビジネスで海外から多くの人がやってくる東京には、外資系ホテルや日本を代表するホテルが多くある。その中で「星のや東京」は、魅力的な設備と日本旅館が持つ高いホスピタリティーを武器に、現代の生活に合わせた快適性を実現。ここ東京を拠点に、世界の都市部での展開を視野にいれるという。大人の男ならチェックしておきたい宿であることは間違いなさそうだ。

Text by Taisuke Seki(euphoria FACTORY)