ホットハッチの元祖『ゴルフGTI』の最強限定モデル
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ホットハッチの元祖『ゴルフGTI』の最強限定モデル

ハッチバックでありながら、スポーツカーに勝とも劣らない走りを愉しめる「ホットハッチ」。その元祖が、1976年に誕生した『ゴルフGTI』だ。「GTI」とは、「Grand Touring Injection(グランド・ツーリング・インジェクション)」の頭文字。フォルクスワーゲンのスポーティモデルにのみ与えられる称号である。今では『GTI』がスポーティーな走りをすることは周知の事実となったが、発売当時は、比較的小さな車がアウトバーンの左車線(追い越し車線)をかっ飛ぶ姿に、人々が驚愕したという。そんな『ゴルフGTI』に、デビュー40周年を記念したハイパフォーマンスモデルが誕生した。

40年の歴史を背負った400台限定の特別モデル

『ゴルフGTI Clubsport Track Edition(クラブスポーツ トラックエディション)』は、ホットハッチのベンチマークである『ゴルフGTI』生誕40周年を祝うハイパフォーマンスな特別限定モデルだ。日本には、「ピュアホワイト×ブラックルーフ」「カーボンスチールグレーメタリック×ブラックルーフ」の2色がそれぞれ200台、計400台導入される。

「トラックエディション」の名の通り、イメージしたのはサーキット走行で走りに特化した。圧巻なのはパワートレインだ。現行最強の『ゴルフR』の「2.0L・TSI エンジン」をベースにチューンアップ。最高出力:195kw/265ps、最大トルク:350Nm/35.7kgmは、現行 の『ゴルフGTI』と比較して33kw/45psもアップしている。


組み合わされるトランスミッションは、切れ目のない滑らかな加速が特徴の「6速DSG」。シフトチェンジの際に片方のクラッチが離れると、もう一方のクラッチがオーバーラップするように接続し、0.03〜0.04秒という短時間でシフトチェンジできる。

ドライビングプレジャーを求めるカーガイにとって嬉しいのは「ブースト機能」だろう。アクセルペダルをキックダウンするだけで、約10秒間だけ最高出力:213kw/290ps、最大トルク:380Nmを発生させる。その結果、0-100km/h加速は5.9秒、最高速度は250km/hに達する。

足回りには『ゴルフGTI』より大きな19インチのホイールを採用。ブレーキもサイズアップした4輪ベンチレーテッド・ディスクにアップグレードされている。また「電子制御油圧式フロントディファレンシャルロック」の採用によって、コーナー内側のタイヤの空転を検知すると、ディファレンシャル内部のクラッチを締結し駆動トルクを内側から外側へ再分配。ホイールの回転数や車速などの状況に応じて、左右輪のトルク配分を0-100%の範囲で最適制御する。これにより、「アンダーステアが出やすい」「コーナリング・スピードが高まらない」という前輪駆動の弱点を克服した。

秋には「クラブスポーツ」シリーズ第2弾も

エクステリア、インテリアにもスポーティーな要素が散りばめられた。エクステリアの特徴は、光沢ブラックに仕上げられエアディフレクターを兼ね備えたフロントバンパー。エンジンへの空気の吸気量を向上させ、フロントの空力性能とダウンフォースを引き上げてくれる。リヤには現行の『ゴルフGTI』 よりも大きなリアスポイラーを装着。ダウンフォースを最適化してくれる。
インテリアでは、シート、ステアリング、シフトレバーに施されたレッドステッチが印象的だ。シートにはフルバケットのレカロスポーツシートを採用。専用ファブリックまたはアルカンターラから選ぶことができる。

また、スポーティーな3本スポークのステアリングホイールにはアルカンターラを使用。手に馴染みやすくグリップ感も高いので、繊細な操作の助けとなるだろう。ステアリングの上部には操舵角を視覚で認識しやすいように赤いセンターマークが配置されているが、これもスポーティーさを際立たせるポイントとなっている。
「走る・曲がる・止まる」の3 要素全てにおいて磨きをかけたハイパフォーマンスモデル『ゴルフGTIクラブスポーツ トラックエディション』。限定400台ということもあり、入手は困難かもしれない。じつは、「トラックエディション」は、「ゴルフGTIクラブスポーツ」シリーズの第1弾モデル。秋頃には、第2弾モデルとして、より気軽に「ゴルフGTIクラブスポーツ」の魅力を味わえる『Street Edition(ストリート エディション)』の導入も予定されている。こちらも気になる1台になることは間違いない。

Text by Tsukasa Sasabayashi