キュートでワイルド、『ビートル』初のクロスモデル
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キュートでワイルド、『ビートル』初のクロスモデル

「黄色いワーゲンを見たら、その日は1日幸せ」。そんな都市伝説を覚えている40男もいるかもしれない。「黄色いワーゲン」とは、1938〜2003年まで生産された『フォルクスワーゲン タイプ1』、通称『ビートル』を指す。全世界で2150万台以上を売り上げ、日本でも熱狂的なファンを持つ名車だ。あくまで愛称であった『ビートル』の名は、1998年にデビューした『THE Beetle(ザ・ビートル)』で正式採用された。『ザ・ビートル』は、フォルクスワーゲンのカルフォルニアデザインセンターのスタッフが「ビートルを新しい時代に蘇らせる」と提案したコンセプトモデルが元となっている。市販化されてからのヒットは語るまでもないだろう。その『ザ・ビートル』が、初のクロスモデルとなる特別限定車『Dune(デューン)』を発表した。

伝説の『ビートル』が最新技術によって復活

『ザ・ビートル デューン』は、1960年代から70年代にカリフォルニアで一世を風靡した、『ビートル』をベースに改造した伝説的なサンドバギー(海岸沿いの砂丘や砂漠を走る車)、「Dune Buggy(デューン・バギー)」を最新技術で現代風に再現したモデルだ。

最大の特徴は、『ザ・ビートル』の愛らしさはそのままに、悪路を駆け巡ることができるワイルドさも感じさせる外観にある。車高は専用サスペンションにより15mmアップ。また、新デザインのアンダーガード付フロント&リヤバンパー、ハニカムフロントグリル、18インチアルミホイールとブラックのホイールアーチエクステンション、サイドスカートなどの専用装備でクロスオーバーモデルであることを強調している。
ボディカラーは、『ザ・ビートル』初となる「サンドストームイエローメタリック」。『デューン』の専用色で、砂丘をイメージしたという。イエローは『ビートル』『ザ・ビートル』ともに定番のカラーだが、「サンドストームイエローメタリック」はやや黄金色かかっており、ひと味違う特別感を醸し出す。

このボディカラーはインテリアでも差し色として活用されている。専用スポーツシートやステアリング、ハンドブレーキ、シフトノブ、センターアームレストには黄色のステッチを入れ、インストゥルメントパネルも同色でコーディネートした。

『ザ・ビートル』シリーズ初の機能で燃費向上

エンジンは1.4L・ TSIエンジン(直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボ)。これに、7速DSGトランスミッションを組み合わせた。また、日本仕様の『ザ・ビートル』シリーズとしては初の「アイドリングストップ機能」と「ブレーキエネルギー回生システム」を採用。

「アイドリングストップ機能」では、ブレーキペダルを踏みつづけると自動的にエンジンが停止。ブレーキペダルから足を離せば再始動する。「ブレーキエネルギー回生システム」は、ドライバーがアクセルオフ時のエンジンブレーキやフットブレーキを掛けた際に発生する減速エネルギーを電気に変えてバッテリーに充電。加速時は充電のためのエンジンへの負荷を低減してくれる。これらの機能により、燃料消費率(JC08 モード)18.3km/Lを実現した。

『デューン』の販売台数は限定500台。街中で目にする機会は少ないだろう。だからこそ、もしかすると現代の『ビートル』よろしく、見ると幸せになれる車として、新しい都市伝説になるかもしれない。

Text by Tsukasa Sasabayashi