44年ぶりに復活した最高峰、『Sクラス カブリオレ』
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44年ぶりに復活した最高峰、『Sクラス カブリオレ』

じつに、44年ぶりの復活である。メルセデス・ベンツが最後にラグジュアリー4シーターのオープンモデルを送り出したのは1971年。当時はSクラスという呼称がなく、「220SE(W111)」の名で販売された。それから約半世紀、2015年秋のフランクフルトモーターショーで復活した『Sクラス カブリオレ』は、大きな話題となった。そしてついに、2016年6月2日、日本での注文受付が開始された。

Sクラス史上最高の美しさと高級感を備えたメルセデス・ベンツ『Sクラス カブリオレ』

『Sクラス カブリオレ』のコンセプトは、「モダンラグジュアリー&インテリジェンス」。Sクラス史上、最高の美しさと高級感を備えたのはもちろんのことながら 、安全性と快適性、効率性など自動車に求められるあらゆる要素とオープンエアドライブを高次元で究めた。

まず、「モダンラグジュアリー」について話をしよう。これは、メルセデス・ベンツの新しいデザイン哲学で、従来の「ラグジュアリー」の概念とは一線を画す。いわく「情熱と知性、ラグジュアリーとモダン、官能(センシャル)と純粋(ピュリティ)という、異なる両極的な要素を、それぞれのモデルラインアップの性格や役割に応じ融合させたもの」とのこと。

フロントフェイスのブラックのダイヤモンドフロントグリルには、メルセデス・ベンツの象徴である「スリーポインテッドスター」が鎮座する。これに、2本の力強いキャラクターラインによりダイナミックな印象を与えるボンネットや中央と左右に大型エアインテークを備えたフロントバンパーなどが相まって、情熱的でありながら知性を感じさせる顔つきとなった。

ヘッドライトには、片側 47個のスワロフスキークリスタルを組み込んだ専用 LEDハイパフォーマンスヘッドライトを採用。丸みを持つ円柱状の 30個のクリスタルをウインカーに、さらに17個のカットクリスタルをポジショニングライトに配置することで、揺らめく炎のような輝きがラグジュアリーな表情を与えてくれる。

サイドビューは、ソフトトップを閉じた状態では美しいクーペスタイル。低く構えるウィンドウフレームや、サイドウォールがリアに向けて下降するドロッピングライン、完全に格納されるサイドウインドウなどが特徴的だ。しかし、ソフトトップを開けると雰囲気は一変。まるでヨットのような雰囲気のあるオープントップとなる。

Sクラス史上最高の美しさと高級感を備えたメルセデス・ベンツ『Sクラス カブリオレ』

ソフトトップはブラック、ダークブルー、ダークレッドの3色。3層構造で、閉じると静粛性の高い室内空間を作り出す。 操作はセンターコンソールのスイッチで行い、時速 50km/h 以下であれば、走行中でも約20秒で開閉可能だ。

女性も心配無用、センサーによって常に快適な室内空間を演出する『Sクラス カブリオレ』

インテリアでは、美しいカーブを描くダッシュボードからドア、シートまで流れるような一体感のあるデザイン。カブリオレのインテリアは外から見られるという意味で、エクステリア的な要素も持つ。丁寧にコーディネートした色彩と素材、金属(一部クローム)を採用した高級感のあるスイッチ類は、『Sクラス カブリオレ』が持つ風格を強調してくれる。

女性も心配無用、センサーによって常に快適な室内空間を演出する『Sクラス カブリオレ』

また、カブリオレでは走行中に室内に流れ込む風が気になるが、(実際、この風で髪型が崩れるのでオープンモデルを嫌う女性も多い)、この車はそんな心配は無用だ。オープン走行時には、「エアキャップ」と呼ばれる部位が空気の流れを上方に跳ね上げるとともに、後方から室内への風の巻き込みを低減。快適性に関しても、ルーフの開閉に伴う温度変化を日照センサーや室内温度計が感知することで、自動的に温度と風量をコントロールする「クライメートコントロール」で室内環境を調整している。また、ヒーターはシートだけでなく、ドアアームレスト、センターアームレスト、ステアリングにも内蔵されているので冬のオープン走行も心地よく楽しめそうだ。

「モダンラグジュアリー&インテリジェンス」のインテリジェンスの部分では、メルセデス・ベンツの安全性能の代名詞、「インテリジェントドライブ」を搭載。車体の360度をカバーする複合的なセンサーとカメラが得たデータを高度なアルゴリズムで解析することで、先行車両、横切る車両、後方車両、対向車、歩行者などを検出しその位置を特定。状況を判断して、アクセル、ブレーキ、ステアリングを自動でアシストする、「部分自動運転」を実現した。

トップグレードの『S 65 カブリオレ』は3417万円、日本で8台しか販売されない特別仕様車も

ラインナップは、『S 550 カブリオレ』、『メルセデスAMG S 63 4MATIC カブリオレ』、『メルセデスAMG S 65 カブリオレ』、『メルセデス AMG S 63 4MATIC カブリオレ Edition 130』の4モデル。

『S 550 カブリオレ』はベースモデルで、4.7L・V型8気筒直噴ツインターボエンジンと9速オートマティックトランスミッションを搭載する。『メルセデスAMG S 63 4MATIC カブリオレ』はAMG製5.5L・V型8気筒直噴ツインターボエンジンにパフォーマンス志向の4WDシステム「AMG 4MATIC」を組み合わせたモデル。マフラー内のエグゾーストフラップによって、エンジン音を切り替える「AMGスポーツエグゾーストシステム」も搭載した。

『メルセデスAMG S 65 カブリオレ』は、6.0L・V型12気筒ツインターボエンジンを搭載。メルセデスAMGによる極限の滑らかさと圧倒的な高出力を実現した。『メルセデス AMG S 63 4MATIC カブリオレ Edition 130』は、『Sクラス カブリオレ』発表と本年の自動車生誕130周年を記念し、内外装に特別装備を採用したモデル。全世界で130台、日本では8台が限定販売される。

価格は、『S 550 カブリオレ』が2145万円、トップグレードとなる『メルセデスAMG S 65 カブリオレ』は3417万円。限定モデルの『メルセデス AMG S 63 4MATIC カブリオレ Edition 130』は3215万円。

オープンカーでありながら余裕のあるボディサイズに大排気量のエンジンをもつ『Sクラス カブリオレ』でのドライブは、クルーザーでのクルージングを思わせる。まさに、人生を豊かにする遊びと余裕を知る大人に相応しい1台だ。

トップグレードの『S 65 カブリオレ』は3417万円、日本で8台しか販売されない特別仕様車も

Text by Tsukasa Sasabayashi