青春18きっぷで行く「鉄道」紀行 四国一周絶景の旅
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青春18きっぷで行く「鉄道」紀行 四国一周絶景の旅

瀬戸内海、四万十川、田園風景や渓谷美……。
自然の美しさに触れられる四国のローカル線は、鉄道ファンの心を捉えて離さない。今回各駅停車で、絶景の数々を巡る旅に出た。

撮影◎遠藤純

JR瀬戸大橋線・予讃(よさん)線 岡山〜多度津〜松山〜八幡浜 [乗車時間/約9時間、営業距離/292㎞]

JR瀬戸大橋線・予讃(よさん)線
岡山〜多度津〜松山〜八幡浜
[乗車時間/約9時間、営業距離/292㎞]
須崎湾を望みながら走る特急列車「南風」。車体のラッピングからアンパンマン列車という名でも知られる。

あの駅に降り立ちたい シンプルな動機で旅は始まる

「青春18きっぷ」で旅に出始めたのはいつ頃だっただろうか。まだ見たことがない風景を見に行きたい、そんな単純な思いであらゆる路線を巡った。自分の暮らしている世界を脱して、遠くへ遠くへと進む列車、そのワクワク感は今も忘れない。



今回の旅の始まりはJR岡山駅。瀬戸大橋線で一路、四国を目指す。児島(こじま)駅を過ぎると列車は瀬戸大橋を走る。青春18きっぷといえば時刻表の存在が欠かせない。最近はスマートフォンで簡単にダイヤを調べられるが、鉄道ファンであれば、時刻表と睨に らめっこをしながら旅のスケジュールを組むのが楽しみのひとつだ。

あの駅に降り立ちたい
シンプルな動機で旅は始まる
瀬戸大橋線は岡山駅と高松駅を結ぶ路線。

 

まず四国で乗車した予讃(よさん)線は香川県の高松駅から愛媛県の松山駅を経由して、宇和島駅を結ぶ路線である。乗り換えた坂出(さかいで)駅から松山駅までの営業距離は173.1㎞。4時間30分の移動時間だ。列車は讃岐(さぬき)平野とでこぼことした山を望みながら走る。

予讃線と土讃(どさん)線の分岐点である多度津(たどつ)駅を経て、海岸寺駅を抜けると車窓には瀬戸内海の姿が一面に広がった。駅には部活帰りの学生たちの姿がある。車内に若者たちの楽しそうな笑い声が響く。みの駅には「おかえりなさい」の文字が掲げられていてなんとなく郷愁をそそる。

 
松山では路面電車に乗ってみたい。松山駅から道後温泉駅の区間では、蒸気機関車をディーゼル機関車にした「坊ちゃん列車」が運行している。

 

松山にたどり着いたのは14時57分。路面電車で道後(ど うご)温泉に足を延ばすのもいいし、またその土地の食を味わうのもいい。そして初日の一番の目的地は、青春18きっぷのポスターなどでもおなじみの下灘(しもなだ)駅である。
 
17時55分に松山駅を出発すると18時36分に下灘駅に到着。ちょうど夕暮れの時間に間に合う計算だ。オレンジ色に染まる空、静まり返った下灘駅にはすでに先客たちが途中下車していた。中年の夫婦に若い恋人たち、鉄道ファンだろうか、カメラを携えている人もいる。誰も騒いだりはしていない。ここでは何もしなくてもいいということを皆が知っているからだ。この美しい時間を噛み締めながら初日の旅は終わった。