究極のCクラス、新型『メルセデスAMG C63クーペ』
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究極のCクラス、新型『メルセデスAMG C63クーペ』

メルセデス・ベンツのハイパフォーマンスモデル開発とエンジン生産を手掛ける「AMG(エーエムジー)」。その名は、創立者のハンス・ヴェルナー・アウフレヒト(Aufrecht)、パートナーのエバハルト・メルヒャー(Melcher)、そして、アウフレヒトの出生地であるドイツのグローザスパッハ(Grossaspach)の頭文字から取られている。もともとメルセデス・ベンツの市販車をベースに独自の改良を施したレーシングマシンを製造しており、本格的なパートナーとなったのは1988年から。現在では、中核となるモータースポーツ活動を通して培ったレーシングカーテクノロジーとメルセデス・ベンツの最先端技術を結集して、ほぼすべてのライナップに「究極のハイパフォーマンス」を提供している。そして、『Cクラス』における最上位モデルが『メルセデスAMG C63クーペ』だ。

マイスターが手作業で組み上げるAMGエンジン

『メルセデスAMG C63クーペ』は、ボディのドア、ルーフ、トランクを除くほぼすべてのパーツが専用に開発された特別な1台だ。なかでも特筆すべきは、パワートレインの刷新である。

エンジンは、AMG4.0L・V8直噴ツインターボエンジン「M177」を搭載。ひとりのマイスターが最初から最後まで責任を持って手作業で組み上げる「One man-one engin」により、完全自社開発したスポーツカー『メルセデスAMG GT』のエンジンと基本設計を共通とする。

『C63 クーペ』は最高出力476ps(350kW)で、最大トルク650Nm。上位グレードである『C63 Sクーペ』は最高出力510ps(375kW)で、最大トルク700Nmを発揮する。0-100km/hの加速は3.9秒と、クラストップとなる動力性能を実現した。
エンジンに組み合わされるミッションは、電子制御式7速スポーツトランスミッション「AMG スピードシフトMCT(マルチ・クラッチ・テクノロジー)」だ。エンジンの回転数を上げてからシフトダウンを行うブリッピングを自動化した機能や、停止状態からの加速を最大化させるレーススタート機能などにより、ダイナミックな走りが楽しめる。

このパワートレインから発せられる動力性能を余すことなく享受できるシステムが、「AMGダイナミックセレクト」だ。センターコンソールのスイッチを操作するだけで、快適性と燃費を重視した「Comfort」、ワインディングなどでスポーティなドライビングを楽しむための「Sports」。さらに、AMG V8が奏でるエグゾーストサウンドを堪能するとともに、サーキットなどでダイナミックなドライビングを楽しむための「Sports Plus」、パラメーターを個別に設定できる「Individual」のいずれかを選択できる。また、『C63 Sクーペ』には、サーキット走行のためにすべてのパラメーターが変更される「RACE」モードが搭載された。

聴覚にも訴えかけるドライビングプレジャー

スペック、機能だけを見ても、『メルセデス AMG C63クーペ』が心躍るドライビングプレジャーをもたらしてくれることに疑う余地はない。しかし、数値だけに囚われると、その本質を見誤ることとなる。このクルマ、走りの愉しさを盛り上げる官能的な仕組みも忘れていないのだ。

「エグゾーストフラップ付AMGエグゾーストシステム」は、排気管内のエグゾーストフラップによって排気音を切り替えるシステム。『C63 クーペ』は2種類のサウンドを切り替えることができ、『C63 クーペ』では、トランスミッションモードに応じ、加速時やシフトダウンではエモーショナルなサウンドを響かせ、長距離クルージングでは落ち着いたサウンドを響かせることができる。

レーシーな雰囲気と機能美に溢れた内外装

エクステリアでは、メルセデスクーペの伝統的プロポーションを踏襲。流れるように美しいルーフラインが秀逸だ。そのラインは、大きく張り出した「C63 クーペ専用」のリアフェンダーで飾られた大胆で力強いリアエンドへと続く。

リアエンドは、エグゾーストエンドをディフューザーと一体化させることで、ボディ下部の空気の流れを整えられエアロダイナミクスが向上。トランクにリッドスポイラーリップを備えることでダウンフォースを増加させ、ロードホールディング性も高めた。
スポーティな走りを実現するための機能美はインテリアにも見てとれる。『C63 Sクーペ』のステアリングは、グリップ部に吸湿性に優れたスエード風の「ダイナミカ」を採用することで、激しいスポーツ走行でも優れた操作性を発揮。シートはサイドサポートを張り出し乗員のホールド性を高めたAMGスポーツシートを採用している。
AMGの「モータースポーツこそが技術力の優秀性を何よりも端的に示す」といった信念が随所に垣間見える『AMG C63クーペ』。日本での発売は8月頃を予定している。クラストップの動力性能を備えたメルセデスV8トップパフォーマンスのリアルスポーツクーペだけに、いまからそのデビューが楽しみだ。

Text by Tsukasa Sasabayashi