スクリーンに歌詞が浮き出る画期的スピーカー
- 40男が嗜む逸品 -

スクリーンに歌詞が浮き出る画期的スピーカー

歌詞を見ながら曲を聞き、その表現方法や言葉の意味するところを楽しみ、深く考える――ストリーミングなどで音楽を聞くことが増えた昨今、そんな機会はめっきり減ってしまった。しかし歌詞を楽しむ喜びを改めて感じさせてくれる、これまでにない画期的な機能を持つスピーカー「Lyric Speaker」が登場した。

歌詞が身近ではない現代ならではの製品「Lyric Speaker」

一見してスピーカーとは思えない、まるで水槽のような箱型のLyric Speaker。レコードやCDに必ずついていた歌詞カードがデジタル配信によって身近なものではなくなってしまい、言葉の意味をじっくりと噛みしめて楽しむ機会がなくなったことから発案された、歌詞がスクリーンに映し出されるというこれまでにないスピーカーだ。言葉を“インテリア”として楽しむというコンセプトで作られたという。
Lyric Speakerは2014年にプロトタイプがお披露目され、2015年2月には日本のロックバンドであるamazarashiの『自虐家のアリー』という曲のPVで、歌詞を表示させる「リリック・ビデオ」のためのマシンとして使用されるなど注目を集めていた。

その後、世界的なアート・イベント・カンファレンスである「サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)・インタラクティブ・フェスティバル」のSXSWアクセラレーター・コンペティションのエンターテインメント・コンテントテクノロジー部門で日本企業として初めてファイナリストに選出されるなど、各方面から期待されるプロダクトだったのだが、それが今回ようやく製品化にこぎつけ、ついに発売されることとなった。

IoTによって再び結ばれる「音楽」と「歌詞」

Lyric Speakerの本体は、スピーカーと透過スクリーンが一体化しており、専用のアプリケーションで曲を再生すると、音楽と同期してサウンドと一緒に歌詞が表示される仕組みだ。浮き出てくる文字は曲調や歌詞の内容に合わせて変化し、優しい曲調では柔らかなフォントがたなびくように、そして激しい音色には硬質な文字が力強く映し出される。またスピーカーからの音をビジュアライズする表現も併せて行う。

Lyric Speakerは伊勢丹新宿店、三越日本橋店、三越銀座店、そして三越伊勢丹のホームページ上で6月15日から予約受付を開始、製品は9月以降に購入者の手もとに届くことになっている。価格は324,000円(税込)だ。
様々なものがインターネットに接続され、クラウドに蓄積された情報を分析・交換することで相互に制御を行う「IoT」(Internet of Things)という言葉が話題となっているが、音楽と歌詞という切っても切れないものをIoTによって再びつなぎ合わせようというのがLyric Speaker。言葉の持つ強さ、切なさ、哀しさなど、音楽にとって歌詞が、いかに大切なのかを思い出させてくれることだろう。

Text by Tamotsu Narita