誰にも邪魔されない‟ひとりしゃぶしゃぶ“の誘惑
- 40男、至高のグルメガイド -

誰にも邪魔されない‟ひとりしゃぶしゃぶ“の誘惑

ひとりの夜、うまい肉をしゃぶしゃぶでつつきながら一献。そんなありそうでなかったシチュエーションを用意してくれるのが、今年4月にオープンしたばかりの、ひとりしゃぶしゃぶ専門店『山笑ふ』。店名は、旬の食材がふつふつとたぎりながら芽吹く様子を表した春の季語。盃を片手に、旬の野菜と厳選された産地の肉を、自分のペースで楽しみながら舌鼓を打つ。ひとりの時間に重きをおく40男こそ、普段使いとして押さえておきたい店だ。

無垢材のカウンターでいただく、日本の旬

鎌倉時代から伝わる掛川手織葛布を使用した清潔感のある暖簾。その暖簾をくぐると、広い店内にO字の大きなカウンターがふたつ並んでいる。「ひとりでも気兼ねなく味わえるように」と、席はすべて無垢材のカウンター席に。「日本の食文化‟しゃぶしゃぶ“の専門店として、匠の技を体感できるしつらえを施した」と言う落ち着きのある内装は、狭苦しいイメージなどまったくなく、ひと席ひと席居心地の良い距離感で配置されている。
席に着いたなら、まずは初夏にぴったりのさっぱりとした一品料理を頼もう。土佐酢に漬けたトマトに塩麹のドレッシングをかけた「トマトサラダ」(378円)や、三陸産のワカメを特製の出汁でいただく「ワカメのしゃぶしゃぶ」(486円)で、一杯。日本酒党なら、新潟の辛口、麒麟山の純米酒(626円)。日本古来の甲州種ブドウで作られた、山梨のイケダワイナリーの「樽熟甲州」(3996円/ボトル)も和食と相性がいい。

肉の旨みと甘さをたっぷり堪能できる「米沢豚一番育ちロース」

いよいよメインディッシュのしゃぶしゃぶへ。迷ったら、王道である牛肉、豚肉の両方が堪能できる「国産牛ロース+米沢豚一番育ちロース」(2916円/牛70g+豚70g)がオススメだ。

山形県産の「米沢豚一番育ち」は、やわらかで脂の旨味と甘味のバランスの良いさっぱりとした上品な味わい。さらに、アンチエイジングも期待できる抗酸化作用のあるビタミンEを、普通の豚肉の2.7倍も含んでいるという優れものだ。

牛肉にこだわるなら、きめ細やかで甘い風味の脂身も堪能できる「黒毛和牛ロース(山形牛)」(5184円/牛150g)も用意されている。
たれはやわらかい酸味のポン酢と、甘口・辛口の両方が用意されているゴマだれの2種。「腐乳」(豆腐を発酵させた調味料)を加えたゴマだれは、ゴマの香ばしさとコクのある味わいがクセになる。大ぶりにスライスされた肉をさっと出汁に通し、タレに絡めて頬張ると、極上の旨みが口いっぱいに広がる。一枚、また一枚と、思わず箸が進んでしまうはずだ。

夕食のコースにはすべて前菜・野菜盛り合わせ・ご飯または麺・デザートが付いているが、つまみ感覚ならば、単品注文も可能。スタッフが、絶妙なタイミングでアクとりをしてくれるので、ゆっくり自分のペースで食事が楽しめる。

女性も喜ぶしゃぶしゃぶはランチタイムも見逃せない

‟ひとりしゃぶしゃぶ“とはいえ客層も幅広く、お昼時には女性のお一人様や、観光で立ち寄った外国人なども集まる。週末はカップルも多いため、表参道でのデートがてら、彼女をランチに誘ってみてもいいだろう。おすすめランチ「国産牛ロース50g+米沢豚一番育ちロース50g」(1620円)は女性にもちょうどいいボリュームだ。
しっかり食べたいときは、コクがありながらもあっさりとした味が特徴の「竹鶏ファーム」の生卵にくぐらせていただく「すき焼きセット」(1566円)も。
「くずきり」(648円)や「あんみつ」(540円)など、女性を喜ばせるヘルシーな和の甘味がそろっているのもポイントが高い。

しゃぶしゃぶ専用の鍋は、ひとつひとつ熟練の職人によって作り上げられた、オリジナルの銅鍋。肉の盛り付けには、秋田県の伝統工芸品である手作りの「曲げわっぱ」を使用。料理の美味しさだけでなく、日本の手仕事を感じさせる器の使い方、細部までこだわったおもてなしは、何度訪れても満足できるはずだ。

Text by Hiromi Onda(Listen)