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ついに一新されたアイアンマンの愛車『アウディR8』

『アウディR8』。いわずとしれたアウディのフラッグシップスポーツモデルだが、映画好きには2008年公開の『アイアンマン』で主人公、トニー・スタークが操る愛車といったほうが伝わりやすいだろうか。近未来的なアイテムが多数登場する作中においても見劣りしないエッジの立ったデザイン。トニー・スターク(アイアンマン)というヒーローのパワフルさを表現するに余りある力強い走り。まさに、憧れのスーパーカーとして作品に華を添えた1台だ。その最新モデルとなる2代目が、ついに日本でも発売されることになった。

よりフラットでワイドなプロポーションに進化

初代のデビュー以来、9年目にしてフルモデルチェンジを果たした『アウディR8』。前方に配置したコックピットと長いリアデッキを持つミッドシップらしいプロポーションは継承しつつ、全幅は約40mm幅広の1940mmを実現。シャープさはそのままに、よりフラットでワイドなプロポーションに進化した。

フロント周りでは、空気を取り入れるフロントのエアインテークは大型化され、気流を整えるバーチカルフィンを装着。LEDヘッドライトはよりワイドに生まれ変わり、天地方向に薄い形状に改められたシングルフレームグリルは彫刻的な力強さを備えている。
インテリアで目を引くのは「モノポスト」と呼ばれる手法だ。ドライバーズシート前方を包み込むようにして描かれた大きな弧で、レースカーさながらの雰囲気を醸し出している。レースカーらしさは、ドライバーの膝が当たる部分に設置されたニーパッドにも見てとれるだろう。また、センタートンネルコンソールとは切り離されて空中に浮かんでいるように見える、わずかに傾いたインストルメントパネルも印象的だ。

モンスターエンジンが生み出す驚異の動力性能

アウディのラインアップ中、もっともレースカーに近いモデルだけに、動力性能がどの程度進化したのかは気になるところ。エンジンのラインナップは2タイプ。いずれも、最高回転数を8700rpmまで引き上げることで最高出力が大幅に向上、トップエンドのレスポンスが一段と鋭くなり、伸びやかなフィーリングをもたらしてくれる。

そのパフォーマンスを数字にすると圧巻のひと言だ。『R8 V10』の最高出力は540PS、0-100km/h加速を3.5秒で駆け抜け、最高速度は320km/hに達する。アウディ史上もっとも高性能な『R8 V10 plus』は610PS、最高速度は330km/h。0-100km/hはわずか3.2秒で加速する。
ちなみに、『V10 plus』は、新開発されたアルミとCFRP(炭素繊維複合材料)を組み合わせた「アウディ スペース フレーム(ASF)」を採用することで、先代モデルを10kg下回る200kgのフレーム重量を実現。乾燥重量もわずか1454kgに抑えた。この軽量化により、1馬力あたりの荷重が2.38kg/psという、卓越したパワーウェイトレシオとなった。

エンジンと並ぶ心臓部であるギアボックスには、新開発の7速Sトロニックが採用された。自ら操る歓びを味わいたければ、ステアリングホイールの裏側に取り付けられたシフトパドル、またはセンターコンソール上のシフトレバーを操作するといいだろう。リニアなシフトチェンジがレースさながらの興奮を呼び覚ましてくれる。
驚異的な発進加速を手助けしてくれる仕組みも興味深い。ドライバーがボタンを操作すると、4500rpm付近で自動的にクラッチを接続。タイヤのスリップを最適にコントロールすることでV10エンジンのパワーを余すところなく路面に伝え、素早い発進加速を可能してくれる。これならば、ドライビングテクニックに自信がなくとも、最高の加速を味わうことができる。

価格2900万円、日本向け販売台数は限定100台

アウディの代名詞である「quattroドライブ」は新型『R8』のために刷新された。新開発の電子制御式油圧多板クラッチを採用することで、わずか数ミリセカンド(1ミリセカンドは1000分の1秒)の素早さで前輪に伝達するトルクを調整。また、先代と異なり、トルクをそのまま前輪に伝えることも完全に切り離すことも可能で、運転状況、ドライバーの操作、路面状況などに応じて4輪に配分するトルクを常に最適にコントロールできるようになった。

動力性能を受け止める足回りもスペシャルだ。サスペンションには、舗装の状態やドライビング モードによって各ホイールの減衰力をミリセカンド単位で制御する「アウディ・マグネティック・ライド」を装備。このサスペンションは、「コンフォート」「オート」「ダイナミック」「カスタム」の4モードのいずれかを選択すると、それに合わせてドライビングに関わる主要なデバイスの動作を調整してくれる。また、『V10 plus』 には、よりハードなスプリングとダンパーが装備された。

ホイールは『V10』が19インチ、『V10 plus』が20インチを装着。ブレーキは「カーボンファイバー強化型セラミックブレーキ」を『V10』ならオプションで装備可能。『V10 plus』なら標準で装着されている。
見た目も走りも、よりスポーティーに、よりマッチョに進化した『アウディR8』。価格は『V10』が2456万円、『V10 plus』が2906万円。2016年の日本市場向け販売台数は限定100台とアナウンスされている。まさにスーパースポーツに相応しい金額とレア度を誇る1台だ。

Text by Tsukasa Sasabayashi