カジュアルかつラグジュアリーなア・テストーニのスリッポン
- 男の嗜み見聞録 -

カジュアルかつラグジュアリーなア・テストーニのスリッポン

「靴紐がない靴」を意味するスリッポン。英語の「Slip On」を語源とし、足を「滑らせる」ようにして履くのが特徴の一つとなっている。近年、履き心地の良さと気取らないファッション性から人気が高まっているが、大人の男にとってはそのラフさが気になるところではないだろうか。そこでチェックしておきたいのが、80年以上の歴史を持つ「ア・テストーニ」による、ラグジュアリーさを兼ね備えたスリッポン。2016年の春夏コレクションでは、上質なレザーと印象的なカラーを施されたスリッポンが登場した。大人の足元の一つの正解となるだろう。

ボロネーゼ製法を生み出したイタリアの老舗ブランド

「ア・テストーニ」の誕生の地であるボローニャは、1300年頃には貴族がこぞって靴を買いにきたといわれるほど靴作りが盛んだった。創業者であるアメデオ・テストーニはその土地で代々靴職人という家系に生まれ、小さい頃から父親に靴作りのいろはを叩きこまれた。1929年に自らの工房をオープンし、「ア・テストーニ」を設立。WWⅡ後にボローニャ地方に古くから伝わる伝統製法に、改良を重ねるなどしてボロネーゼ製法を確立し、世界中の高級ブティックに自分の靴を並べるという野心的な夢を実現させていく。1960年代にブランドとして成長をはたし、イタリアに留まらず、ヨーロッパ各国、アメリカへと展開。1978年には、第一号店となる自らのブティックをオープンした。現在も熟練の職人を抱え、最高品質の素材を使うことにこだわっているのは、そうした歴史を持つからだろう。

シティからリゾートまで対応する機能とデザイン

「ア・テストーニ」の2016年のコレクションから登場するスリッポンは、ボロネーゼ製法だけにとどまらず様々な技術を駆使して作られた上質な大人のための靴だ。
デザインはクラシカルなローファータイプ。上質なカーフを使用し、最後に手作業でアンティーク仕上げを施すことで、インフォーマルなスリッポンながらラグジュアリーな雰囲気を実現している。

マッケイ製法で仕立てたレザーソールを使用したモデルは、春夏にピッタリな爽やかなLagoon(ターコイズブルー)、シックなNude(ベージュ)カラーと、クールなPompei(レッド)の3種類。クラシカルなスタイルに印象的なカラーをあしらうことで、モダンな雰囲気に。クッション性が高い快適な履き心地のラバーソールを採用したモデルは、コレクションカラーのLagoon(ターコイズブルー)とNude(ベージュ)の2種が用意されている。最大の特徴は、ソールにジュート素材の飾りをあしらい、エスパドリーユの要素を取り入れていること。定番の形に絶妙な抜け感がプラスされている。

「ア・テストーニ」はここ数年、カジュアルかつリラックスしたテイストのなかで、ラグジュアリーさを表現することをテーマとしている。そんな思いがよく現れている靴といえるだろう。

デザイン性に加え、機能性を兼ね備えているので、シティからリゾートまで幅広い場面で活躍できる一足。旅行の際の飛行機でも快適に過ごせるのは容易に想像がつく。カジュアルでラグジュアリー。まさに肩肘はらない余裕のある40男のための靴ではないだろうか。

Text by Taisuke Seki(euphoria FACTORY)