最旬の美熟女コメディエンヌ、クリステン・ウィグ
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最旬の美熟女コメディエンヌ、クリステン・ウィグ

日本風にいうと「美熟女」「美魔女」と評されるルックスを持ちながら、『サタデーナイト・ライブ』で鍛えた笑いのセンスを活かし、ここ数年、映画やドラマで大活躍しているクリステン・ウィグ。今夏には、メインキャストの1人をつとめる『ゴーストバスターズ』のリブート版も公開される。ところが、この映画が思わぬ批判を集め、クリステンが注目の的となっている。2016年にブレイクスルー必至の美熟女コメディエンヌを紹介しよう。

体を張った笑いを厭わない本物のコメディ女優

1984年に公開され、レイ・パーカー・Jrによる軽快なテーマソングとともに世界中で大ヒットした映画『ゴーストバスターズ』。その30年ぶりのリブート版が新たに製作され、2016年夏に公開されることになっている。

しかし、この予告編を観た往年のファンは戸惑い、インターネット上などで次々に否定的なコメントを投げかけた。主役の「ゴーストバスターズ」の面々にはすべて女性がキャスティングされており、彼らが期待していた作品と違っていたからである。こうした反感や批判の渦中にいるのが、主演としてクレジットされているクリステン・ウィグだ。

クリステンは、知的なルックスにスラリとしたスタイルの持ち主で、黙って立っていれば仕事のできる美熟女にしか見えない。しかし、映画のなかで過激なスラングを発して泥まみれになる、体を張ったギャグも厭わないなど、本物のコメディ女優として輝きを放っている。

1973年にニューヨーク州で生まれ、アリゾナ大学で演技を学んだ後、クリステンはロサンゼルスにある名門コメディクラブ「ザ・グラウンドリングス」に入団する。ここの活動で頭角を表した彼女は、2005年に全米のコメディ番組の最高峰である『サタデーナイト・ライブ』のレギュラーに抜擢され、その抜群のコメディセンスで話題をさらい、エミー賞の助演女優賞にノミネートされるなど評価を高めていく。

多くの同番組出身者がそうであるように、クリステンもその後映画に進出。当時、映画界ではジャド・アパトーをはじめとする新世代のコメディメイカーがヒット作を連発しており、その波に乗るように、『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』(2007年)、『俺たちダンクシューター』(2008年)、『寝取られ男のラブ♂バカンス』(2008年)などの作品に出演し、さまざまな役柄で爆発的な笑いを生み出した。

体を張った笑いを厭わない本物のコメディ女優
(C)FAMEFLYNET PICTURES/amanaimages

ユーモアが「知性の賜物」であることを証明

そのひとつの集大成となったのが、2011年に公開されたポール・フェイグ監督による『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』の主演である。親友の結婚式の「ブライドメイド(花嫁介添人)」を任された冴えない女性アニーが、次々とトラブルを巻き起こしては、どんどん深刻な境遇に追い込まれていく。その姿が悲惨すぎて笑えてくる、という徹底したトラジック・コメディに仕上がっており、社会現象といえるほどのスマッシュヒットとなった。

クリステンはこの作品で製作と脚本も兼任。過激なセリフやドタバタで笑いを巻き起こしながらも、アラフォー女性の本音と女性同士の友情を丁寧に織り交ぜた脚本はアカデミー賞にノミネートされ、彼女は『タイム』誌による「世界で最も影響力のある100人」にも選出された。

演技力も絶賛されており、最近ではマット・デイモン主演のヒット作『オデッセイ』で、NASAの広報統括責任者秘書官という役を見事に演じきるなど、非コメディ作品にも出演機会が増えてきている。下の写真は、2015年9月にロンドンで行われた『オデッセイ』プレミア上映会でのひとコマだ(左からケイト・マーラ、クリステン・ウィグ、マット・デイモン、ジェシカ・チャステイン)。

ユーモアが「知性の賜物」であることを証明
(C)Alpha Press/amanaimages

そう考えていくと、『ゴーストバスターズ』という30年前のコンテンツを復活させるために、いまもっとも勢いのあるコメディエンヌたちの力を借りるというのは悪くないアイディアだ。さらに、監督はポール・フェイグなので、まさに『ブライズメイズ』の過激な笑いも盛り込まれるはず。しかし、一部のファンはこのプロジェクトにブーイングを浴びせている。

新生『ゴーストバスターズ』のキャストに対する不満の声について、クリステンは性別が話題になるべきではないとコメントしている。「女性が主演だと『女性コメディ』と言われるのに、男性の場合はただの『コメディ』と呼ぶ風潮はおかしいと思う。女性が演じたほうが面白いことや、その逆があるのはたしかだけど、そもそも面白いものは誰がやっても面白いわ」

笑いの本質を理解し、雑多な声には知的な正論をかざして“バスター”する。クリステン・ウィグは、ユーモアとは知性の賜物であることをサラリと証明してくれる、生粋の「コメディアン」なのだ。

Text by Kiyoshiro Somari

Photo by (C)Photoshot/amanaimages(main)