マルチな性格を持った高性能モデル、アウディ「S4」
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マルチな性格を持った高性能モデル、アウディ「S4」

フォーマルなセダンとスポーツカー、エレガントなクーペとSUV。複数のクルマを所有できるとしたら、楽しみはグンと広がるものだ。しかし、現実的には難しい場合も多く、1台で何役もこなしてくれるマルチな性格をもったモデルが求められる。アウディ「S4」は、そのひとつの回答だろう。実用性と走り、ファッション性を高い次元で併せ持つ欲張りなクルマだ。

さりげなく高性能を主張しているスタイリング

アウディS4は、歴代A4をベースとしたハイパフォーマンスモデル。性能だけにフォーカスすれば「RS4」というモデルも設定されてきたが、S4は、「RS4ほどの過激さはいらないが、ただのA4では物足りない」という、絶妙なポジショニングで人気を博してきた。

新しいS4は、ベースとなるA4が5世代目へとモデルチェンジしたのに合わせて生まれたもの。2015年のフランクフルトモーターショーでセダンがデビューし、2016年のジュネーブモーターショーではワゴンモデルの「アバント」も発表された。新型RS4は発表されていないため、現時点でA4シリーズの頂点に立つモデルとなる。

S4のスタイリングは、一見すると通常のA4と大きな違いはない。18インチ、または19インチの軽合金製ホイールと「4本出し」となるマフラー、そして歴代Sシリーズに共通するメタリックな質感のドアミラーが、さりげなく高性能を主張しているだけである。ハイパフォーマンスモデルでありながら、まったく汗臭さを感じさせないのは、さすがアウディ。フォーマルな場に乗って行っても様になる。

旗艦モデル「A8」と比べても見劣りしない質感

スタイリングの変更点はさりげないが、走りのパフォーマンスは相当なもの。0-100km/h加速4.7秒(アバントは4.9秒)の俊足を実現するパワートレインは、新開発のV型6気筒3.0Lターボ「TFSI」エンジンだ。最高出力は354PS、1370~4500rpmという幅広い回転域で500Nmもの最大トルクを発生する。トランスミッションは新開発の8速ティプトロニック。もちろん駆動方式は4WD「クアトロ」だ。

インテリアの質感の高さは、もはやアウディの伝統ともいうべきもの。先代モデルにも質感に不満を感じる部分はなかったが、新型になってさらに向上した。アウディのフラッグシップモデル「A8」と比べても、見劣りする部分はなく、むしろ新しい分だけ質感が優っているとさえ思えるほど。日本仕様はまだ発表されていないが、インパネトリムの素材やレザーシートのカラーは、複数が用意されると思われる。
「趣味と実益を兼ねて」とはよく使われる表現だが、スポーツカーのような走りの楽しさと、標準のA4と変わらぬ実用性を備えたS4は、まさに「趣味と実益を兼ねたクルマ」。ONもOFFの時間も、これ1台で満たしてくれるマルチプレイヤーだ。セダンかアバントかという選択は、荷物を積むシーンがあるかどうかはもちろんだが、スタイリングで決めてもいい。シャープな印象のセダンも伸びやかなルーフラインを持つアバントも、どちらを選んでも間違いのない選択になるだろう。

Text by Muneyoshi Kitani