自ら運転したい経営者たちへ、アルピナ最上級モデル
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自ら運転したい経営者たちへ、アルピナ最上級モデル

BMWにその技術と性能を認められ、メーカー保証が受けられる特別なチューニングカーメーカー「アルピナ」。 もともと高い完成度を誇るBMWの車体にさらに手を加えてポテンシャルを引き出すアルピナの車は、たんなる高級車というだけでは言い表せない。このアルピナのラインナップに、最上級車「B7ビターボ・リムジン・ロング」が追加され、日本に上陸した。2395万円のモデルがもたらすのはどんなプレジャーだろうか。

独自の哲学でBMW7シリーズを“リビルド”

B7ビターボ・リムジン・ロングのベースとなったのは、BMWのフラッグシップサルーン「7シリーズ」だ。7シリーズは、2015年6月に6年ぶりのフルモデルチェンジを受け、2015年10月に日本でのデリバリーを開始。エレガントさを増したボディには、リモート・コントロール・パーキングやタッチパネルなどの先進の技術が採用され、BMWのすべてが注ぎ込まれているといっても過言ではない。

しかし、アルピナのクラフトマンはそれに満足しなかった。開発テーマである「完全なる調和」を目指してクルマを細部まで見直し、独自の哲学を込めて“リビルド”。7シリーズや「M」仕様車とはまた違う上質さを纏ったハイパフォーマンスサルーンを生み出した。

4.4L・V8ツインターボエンジンは「750i」と同じだが、排気量をそのままに、最高出力は480psから608psに拡大されている。最大トルクも81.6kgmとなり、0-100km/hの加速は4.2秒を実現。最高巡航速度は310km/hで、アウトバーンでも余裕のクルージングができる。

シャシーも見直され、サスペンションやブレーキも換装しているため、小型スポーツカー並みの俊敏な走行が可能。とはいえ、乗り心地はいたってジェントルだ。極限のチューニングが施されているが、棘は落とされている。「調律」と呼ぶほうが表現としてふさわしい。

独自のデザインにより内外装をドレスアップ

内外装もアルピナオリジナルの装備でドレスアップされている。インテリアでは、シートやサイドパネルの「ラヴァリナレザー」が、その色調と相まってトラディショナルで上質な空間を演出。ドライバーの目の前にあるメーターも、伝統のブルーインストゥルメント・パネルが踏襲されている。

フロントのスポイラーや20インチのオリジナルホイールもアルピナ独自のもので、これを見れば普通のBMWではないことがひと目でわかる。とはいえ、主張をしすぎない凛とした佇まいは、ほかのチューニングカーとは違うアルピナらしい美点である。

地位から離れて心を解放したいときの相棒に

B7ビターボ・リムジン・ロングは、ただラグジュアリー性を高めただけの車ではない。2000万円を超える価格を考えると、オーナーが後席に乗るショーファードリブンカーだと思われがちだが、このクルマにはそんな固定観念は当てはまらない。

BMWはドライビングプレジャーを追求するメーカーで、その走りによって世界中にファンを生んでいる。アルピナはそんなBMWの哲学を理解したうえでチューニングを施し、モータースポーツで名声を得たメーカーであり、その遺伝子は現在も息づいている。B7ビターボ・リムジン・ロングは最高のラグジュアリー性を備えつつも、その本質は「究極のドライビングカー」というべきものだ。

企業経営者などの成功者にも「自分が運転してドライブを楽しみたい」と考える人が少なからず存在する。B7ビターボ・リムジン・ロングは、そんな人にこそふさわしい。社会的地位から離れ、ひとりの男として心を解放したいときの最高の相棒となるだろう。

Text by Tetsuya Abe