CMのように…グレートオーシャンロード絶景ドライブ
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CMのように…グレートオーシャンロード絶景ドライブ

オーストラリア南東部、ビクトリア州沿岸に約240km続くグレートオーシャンロードは、この道を走るクルマの映像をCMに使うために、世界中から自動車メーカーが撮影に訪れることで知られる。ドライブルートには美しい海岸線やビーチが広がり、真っ青な海からは神秘的な奇岩群が立ち上がる。速度制限はあるが、息を呑むほど美しい海岸線を高級車ブランドのCMのように駆け抜けることのできるグレートオーシャンロードは、クルマ好きが一度は訪れてみたい場所だ。

オープンカーで海岸線を走り爽快感を味わう

ドライブルートの起点となるのは、ビクトリア州の都市メルボルン。公園が多く、緑があふれる街並みから「ガーデンシティー」と呼ばれ、また、スポーツ好きの人にとっては、F1グランプリやテニスの全豪オープンなどのビックイベントの開催地としても馴染みが深い。このメルボルンから南西95kmに伸びているのが、グレートオーシャンロードである。

ここをドライブするなら、クルマは爽快感を味わえるオープンモデルがいい。ただし、ビクトリア州は気候帯が多様で、メルボルンは天気が変わりやすいことで有名だ。できれば、走行中でもスイッチひとつで屋根の開閉ができるハイテク装備のクルマを選びたい。

写真は、メルセデス・ベンツのフラッグシップクーペから派生した優美なオープンモデル「Sクラス カブリオレ」である。電動で動くソフトトップは約20秒で開閉が可能で、60km/h以下なら走行中でも動作する。グレートオーシャンロードでは、天候を気にせずに快適なオープンエアドライブを楽しめるかどうかも重要なポイントとなる。

最大の見どころは海から立ち上がる奇岩群

グレートオーシャンロードは、トーキーという海辺の町から始まる。西隣にはジェームズ・キャメロンが製作し、若き日のキアヌ・リーブスが主演したサーフィン映画『ハートブルー』の舞台となったベルズ・ビーチがあり、サーファーの聖地として有名だ。サーフィンとスノーボードの世界的ブランドである「クイックシルバー」もここで誕生した。トーキーからアポロベイという町までの約80kmは、海沿いに美しいビーチが次々現れ、純粋にドライブが愉しめる区間となっている。

ここを過ぎると道はいったん内陸に入るが、その先にあるのが最大の見どころ、サザンオーシャンから立ち上がる「十二使徒」と呼ばれる奇岩群だ。十二使徒という名はキリストと12人の弟子たちになぞらえたもので、この神秘的な石炭岩の柱は、1000~2000万年前までは断崖絶壁の陸とつながっていたという。気の遠くなるような長い年月のなかで、崖が波と風によって削られ、現在のようなドラマチックな光景が形成されたのである。
(C) Tourism Australia
十二使徒から先は、シップレックコーストという切り立った崖の上の道を進んでいく。西に3kmほど走ると、奇岩に囲まれたプライベートビーチのような美しい入り江、「ロックアードゴージ」(下の写真)と呼ばれる場所があり、さらに、このロックアードゴージの先には、かつて天然の二重橋を形作っていた奇岩の「ロンドン・アーチ」がある。こうしたスポットは、崖の近くまで歩かないと見ることができないので、クルマを停めて壮大な自然を満喫してほしい。ロックアードゴージの場合、階段でビーチまで降りていくことも可能だ。
しかし、美しい光景ばかりに気を取られて走っていると、ついついアクセルを踏みすぎてしまうかもしれない。ビクトリア州はスピード違反に厳しく、違反者には高額の罰金が課せられる。グレートオーシャンロードの制限速度は80km/hから100km/hだが、日本と違って信号が少ないうえ、速度制限も区間によって変わるため、スピードを出し過ぎてしまうことがよくあるのだ。

オーストラリアには速度制限のないフリーウェイもあり、V8ツインターボを搭載したSクラス・カブリオレのアクセルはそこで思いっきり踏み込めばいい。グレートオーシャンロードを舞台にしたクルマのCMには、海岸線に沿ってなだらかにカーブする道を優雅に走る様子を上空から撮影したものが多い。大人の男なら、このように余裕のある走りで世界一美しいドライブルートを駆け抜けてみたいものだ。

Text by Taisuke Seki(euphoria FACTORY)

Photo by (C)Mercedes-Benz(S-Class Cabriolet)