流麗なハードトップの『ロードスター』ニューモデル
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流麗なハードトップの『ロードスター』ニューモデル

世界23カ国、73名の自動車ジャーナリストの投票により選ばれる「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」。2016年、その栄誉に輝いたのは、じきに世界累計生産台数100万台を迎える『マツダ ロードスター』だ。しかも、特別賞のひとつである「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」も日本車として初めて受賞。このダブル受賞は同賞の創立以来初めてだという。いわば、『ロードスター』は、世界で最も優れた1台であり、もっともスタイリッシュな車と認められたわけだ。そんな『ロードスター』のラインナップに新しく加わったのが、『ロードスターRF』である。

クローズド時の美しさとオープン時の爽快感

『ロードスターRF』の「RF」は、「リトラクタブルハードトップ」の「R」と「ファストバックスタイル」の「F」から取ったものだ。リトラクタブルハードトップとは電動格納ができるハードルーフのこと、ファストバックスタイルとはルーフからリアエンドまでなだらかに傾斜するルーフラインのことを意味する。

ベースは言わずもがな、4代目になる新型の『ロードスター』だ。ソフトトップモデルである『ロードスター』は、オープン走行を基本に考えられている。一方、ハードトップモデルの『ロードスターRF』は、屋根を閉じた状態での運転が多くなるだろう。そこで求められたのが、オープン時の爽快な感覚を失わずに、クローズド時の美しいスタイルを両立させることだ。

クローズド時の美しいスタイルを形作るのは、フロントルーフ、ミドルルーフ、リアルーフの3つからなる電動格納式ハードトップだ。クローズド時は、先ほども触れたが、ルーフからリアエンドまでなだらかな傾斜をつけることで、美しいスタイルと同時にスポーティーさも併せもつように仕上げた。
この造形に合わせて、デザインテーマ「魂動(こどう)-Soul of Motion」の魅力を際立たせる特別塗装色「マシーングレー」を採用。「カラーも造型の一部」という思想のもと、魂動デザインのダイナミックかつ繊細さを際立たせている。

開閉はスイッチひとつ、世界最短時間で完了

爽快なオープンエアフィールには、様々な工夫がなされた。実は、『ロードスターRF』はオープン時にリアルーフは収納されず、『ロードスター』のようにフラットなオープン状態になるわけではない。「せっかくのオープンカーなのに」と感じるかもしれないが、この独特の形状が包まれるような安心感と爽快な開放感を実現。新しいオープン感覚を味わうことができる。
気になったのはエキゾーストノートだ。リアルーフがあると、「車両後方からダイレクトに迫る排気サウンドを楽しめないのでは」といった不安を感じたが、オープン時はバックウインドーが開くことで、爽快な排気サウンドを楽しみながら走ることができる。オープンカーの醍醐味はしっかりと演出されているというわけだ。ちなみに、後方からの巻き込んでくる風は、アクリル製の大型エアロボードがしっかりと抑制してくれている。

開閉はスイッチ操作ひとつで完了。それぞれのパーツの動きをオーバーラップさせることで、世界最短レベルのルーフ開閉時間を実現した。10km/h未満であれば走行中でも開け閉めが可能だ。
トランク容量はルーフ収納時でもソフトトップモデルとまったく変わらず、130L(DIN方式)を確保。550mm×400mm×220mmサイズのキャリーオンバッグなら2つを積載できるという。

遮音材によりクローズ時の静粛性を大幅に向上

オープンカーは内装も外装の一部。それだけに、『ロードスターRF』でもこだわりは強い。やわらかな触感のナッパレザーを採用し、質感が高く、落ち着きのある洗練されたキャビンとなった。

洗練された雰囲気は、目に見えるものだけで成立しているわけではない。フロントルーフ、ミドルルーフの内側に吸音タイプのヘッドライナーを、またリアホイールハウスに遮音材を採用し、クローズ時の静粛性を大幅に向上。こういった部分も、満足度の向上に一役買っている。
走りに関しては、サスペンションと電動パワーステアリングの特性に『ロードスター RF』専用チューニングを実施。『ロードスター』ならではの軽快な走りを愉しみながら、より落ち着きのある上質な乗り心地を実現した。

パワートレインには、「SKYACTIV-G 2.0」及び「SKYACTIV-G 1.5」の2つのエンジンを採用。これに、6速MTと6速ATを組み合わせる。北米仕様車には「SKYACTIV-G 2.0」を搭載することが決定。それ以外の史上には適切なライナップで展開するという。

マツダは、『3代目ロードスター』で初めてリトラクタブルハードトップを採用した。その販売台数は、ライフサイクル終了時には半数以上を占めていたという。オープンカーに憧れを抱いていても、真夏や真冬のドライブ、街乗りなどでは屋根付きでないと安心できない人は多いのだろう。そんな人にはうってつけの1台だ。

Text by Tsukasa Sasabayashi