かぐや姫から最新科学まで宇宙を巡る展覧会
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かぐや姫から最新科学まで宇宙を巡る展覧会

太古の昔から「宇宙」に思いを馳せてきた人類。なぜ私たちは、これほどまでに宇宙に惹かれるのだろうか? その謎を解き明かそうという特別展「宇宙と芸術展 ―かぐや姫、ダヴィンチ、チームラボ―」が、東京・六本木の森美術館で開催される。

私たちはどこから来てどこへ向かうのか

古来、惑星や星の運行などを観測する「天文学」は非常に重要な学問であった。また月や惑星、星座、はたまた宇宙人にまつわる物語や芸術、宇宙の謎を解き明かそうとする数学や科学、さらに20世紀に入ってからは実際に宇宙船を打ち上げて有人飛行や長期滞在、探査などが行われるなど、今も宇宙は多くの人々にインスピレーションを与え続けている。

人間の関心を惹きつけてきた宇宙について、「私たちはどこから来てどこへ向かうのか」を探るという壮大なテーマを掲げ、7月30日から開催されるのが「宇宙と芸術展 ―かぐや姫、ダヴィンチ、チームラボ―」だ。展覧会は「人は宇宙をどう見てきたか?」「宇宙という時空間」「新しい生命観―宇宙人はいるのか?」「宇宙旅行と人間の未来」という4つのセクションで構成、宇宙の魅力を探っていく。

古代から現代までを網羅

セクション1は「人は宇宙をどう見てきたか?」だ。ここでは仏教の曼荼羅図や竹取物語絵巻といった東西の神話や宗教美術作品、レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿やガリレオ・ガリレイ、プトレマイオスによる天文学古書など貴重な資料が展示されている。
『竹取物語絵巻』(第三巻)| 江戸時代前期|巻子|33×約1440 cm|所蔵:國學院大學図書館、東京 |
続くセクション2は「宇宙という時空間」と題し、ブラックホールや11次元あると推測されている宇宙空間の不思議などを、宇宙をテーマにした作品を手掛けるアーティストのビョーン・ダーレムや、独自の視点で撮影された巨大な作品を発表する写真家アンドレアス・グルスキーといった現代美術の作り手による作品などで構成される。
ビョーン・ダーレム|《ブラックホール(M-領域)》|2008年|木、スケール、蛍光灯、電球、着色剤|450×500×900cm|撮影:ブレイズ・アディロン|Courtesy:サーチ・コレクション、ロンドン |
セクション3では「新しい生命観―宇宙人はいるのか?」というテーマで、人間が想像してきた宇宙人像や、江戸時代に飛来したといわれる「うつろ船」に乗っていたという蛮女に関する資料から、遺伝子工学やA.I.の技術などなど古代から最先端科学までを紹介。
空山 基|《セクシーロボット》 |2016年|FRP、鉄、 金・銀メッキ調塗料、LEDネオンライト|182 x 60 x 60 cm|撮影:Tanaka Shigeru|Courtesy:NANZUKA|
そして最後のセクション4「宇宙旅行と人間の未来」では、米ソの宇宙開発の歴史から、NASAの火星住宅コンペで優勝した、日本人建築家チームが考案した氷で作られた火星の住居「マーズ・アイス・ハウス」など現代宇宙開発の最前線を展示。また様々なスペシャリストから構成されるウルトラテクノロジスト集団「チームラボ」による作品などに触れることもできる。

人類と宇宙の歴史を振り返り、間近に迫った宇宙旅行時代に思いを馳せる本展を体験すると、これまでにない新たな生命観や宇宙観が生まれ、人間を見る目が変わっていくことだろう。

Text by Tamotsu Narita

Main Photo by チームラボ|《追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして分割された視点―Light in Dark》|2014年|展示風景 日本科学未来館 *参考作品