ひらり舞う、夜桜逍遙
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ひらり舞う、夜桜逍遙

京都の古刹と春の夜 

京都では「満月に向かって桜の蕾は膨らみ、開花する」といわれる。月明かりと照明に浮かび上がる美しい夜桜の下を、そぞろ歩くのはどうだろう。古都の風情がいっそう心に迫る魅惑の情景を楽しみに、夜桜を巡る旅に出た。

文◎相庭泰志
撮影◎尾上達也(一部)

1200年を誇る古刹 桜と五重塔との妙
真言宗総本山 東寺

平安遷都とともに建立された国立の寺院で、創建から1200年を誇る。嵯峨天皇より賜った空海が、真言密教の根本道場とした東寺真言宗の総本山。京都で唯一、平安京の遺構が残される古刹でもある。また、宝物館に多数展示された真言密教の文化財も見事。境内にはソメイヨシノやカワヅザクラ、ヤエザクラが約200本咲く。五重塔を背景にした桜の情景が見どころ。
開花時期:3月下旬~4月上旬

清水の舞台を借景とした見応え十分な桜の群生
音羽山 清水寺

開創は奈良時代後期の宝亀9年(778)、山号は音羽山。寺名はその山中より今なお途切れることなく、こんこんと湧く霊泉に由来する。全ての人を救う十一面千手観音の御利益と合わせ、無病息災、立身出世、財福といった現世利益で、広く信仰を集めている。ソメイヨシノやヤマザクラが合わせて約1000本咲き誇る。「清水の舞台から飛び降りる」の語源となった本堂からの桜は絶景だ。
開花時期:3月下旬~4月上旬

しだれ桜とヤマザクラに彩られる"ねねの寺"
鷲峰山 高台寺

豊臣秀吉の没後、出家した正室・北政所(ねね)が、徳川家康の援助を受けて慶長11年(1606)に、秀吉の菩提(ぼだい)を弔うため建てた寺院。伏見城から方丈や茶室が移築された境内は壮麗さである。また、開創400年を記念事業として、江戸時代初期の風雅な境内の雰囲気を取り戻すため、ヤマザクラの植樹が進められた。現在はしだれ桜とヤマザクラ約100本が境内や山肌に咲く。
開花時期:3月下旬~4月上旬