ついに復活するスポーツカーブランド「アルピーヌ」
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ついに復活するスポーツカーブランド「アルピーヌ」

ル・マン24時間耐久レースや世界ラリー選手権など、名だたるレースでの名声を築き上げたスポーツカーブランド「アルピーヌ」。1995年の「A610」生産終了とともに活動を終えたが、このたび20年の時を経て復活することとなった。母体のルノーは2016年2月にコンセプトカー「アルピーヌ・ビジョン」を発表。2017年の市販化に期待も膨らむモデルに、世界中が注目している。

アルピーヌの名を世界に知らしめた「A110」

アルピーヌは1955年、フランス人レーシングドライバーで、ルノーの販売店経営者でもあったジャン・レデレにより創設された。ルノー車のチューニングを手がけたのをきっかけに、大衆車「ルノー 4CV」をベースにしたオリジナルモデル「A106」を製作。当時としては稀少かつ挑戦でもあったFRP(繊維強化プラスチック)を用いたスポーツカーを作ったのがブランドの始まりだった。

アルピーヌの名を一躍世界に広めたのは「A110」である。バックボーンフレームタイプのシャシーにFRPのボディを載せたこのスポーツカーは、1973年のWRC(世界ラリー選手権)でチャンピオンを獲得。1トンを大きく下回る軽量なボディとリアエンジンが生み出す類まれなハンドリングは、現在に至るまで世界中にファンを持つ。けっしてスーパーカーのようなスペックは持たないが走りは一流という、フランス製スポーツカーの流儀がここにある。
(C)Vertualissimo
(C)Vertualissimo
アルピーヌは1973年にルノー傘下のスポーツブランドとなり、ルノーのモータースポーツ部門の一躍を担った。また、「A310」「V6」「A610」と、A110のスピリットを受け継ぐオリジナルモデルの開発・製造も続けたが、1995年の「A610」生産終了とともに歴史の幕を閉じた。2017年に予定通り市販モデルが登場すれば、約20年ぶりの復活ということになる。

「アルピーヌ・ビジョン」は2017年発売予定

アルピーヌ復活の噂は以前からあり、2007年にはカルロス・ゴーンによってアルピーヌ復活宣言もなされていた。2007年、2012年にはそれぞれコンセプトカーも発表されている。しかし、この時点では、あくまでも「コンセプトカー」の域を出ていなかった。しかし、今回の「アルピーヌ・ビジョン」は、2017年に発売を予定している新型スポーツカーのコンセプトモデルとして発表されたものだ。否が応でも期待が高まる。

外観はコンパクトながら流麗さを残す2ドアクーペスタイルで、「A110」を彷彿とさせる。インテリアは高級スポーツカーの雰囲気を漂わせ、ボタン式かつパドル式のシフトが市販化の際に導入されるのかどうか、この点も注目だろう。エンジンは、ルノーのモータースポーツ部門「ルノー・スポール」設計の4気筒ターボエンジンを搭載。詳細は明らかにされていないが、市販化にあたり0-100km/h加速で4.5秒以下という数値目標を掲げているという。
ようやく姿を現した限りなく市販モデルに近いコンセプトカーは、往年のアルピーヌを知る者にとって大いに期待ができるもの。正式発表の日がいつになるのか。その動向からしばらく目が離せそうにない。

Text by Syuhei Kaneko