注目の「プラスサイズ」美女、アシュリー・グラハム
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ぽっちゃりなのに世界中で美人扱い?アシュリー・グラハム人気の秘密

50年以上の歴史を誇り、全米の注目を集める『スポーツ・イラストレイテッド』誌のスイムスーツ・イシュー(水着特集)2016年版に、大きな「異変」があった。これに登場すればブレイク必至となるため、世界中の女性タレントたちの憧れとなっているスイムスーツ・イシューの「表紙モデル」だが、2016年版ではなんと3人も同時にエントリー、それぞれが表紙の3バージョンを発売するという異例の試みが敢行されたのだ。そして、さらに話題となったのは、この3人のうちのひとりにプラスサイズ・モデルとして人気のアシュリー・グラハムが選ばれたことだった。

「ふくよかなスタイルが美しい」ムーブメント

「プラスサイズ」とは、文字通り「大きめのサイズ」のこと。日本でも専門誌が出るなど「ぽっちゃりモデル」がブームになったが、欧米では数年前から、無理なダイエットやボディコントロールをして作り上げたスキニーな体型よりも自然でふくよかなスタイルが美しいという、プラスサイズ礼讃のムーブメントがあった。アシュリー・グラハムは、その代表的な存在となっているのだ。

アシュリーは身長176.5cmで、スリーサイズは上から96・75・114cm。洋服のサイズは、日本でいうところの19号(5L)に相当するという、パーフェクトなふくよかボディを持つ。今回のスイムイシューの表紙抜擢にあたって、「私のようなプラスサイズの女性のボディーラインもセクシーであるということを知ってもらえれば」とコメントし、全米の男性から、そして多くの女性たちからも支持を集めることとなった。

アシュリーは12歳のころ、生まれ育ったネブラスカ州のショッピングモールでスカウトされてモデル業を開始した。しかし、この時点でアシュリーが属していたカテゴリーは「プラスサイズ」。モデルとして活動しながらも、彼女は自分の仕事を他人に話すのが嫌だったという。なぜなら、「モデルをしている」というと怪訝な顔をされ、「プラスサイズだけど」と付け加えるとようやく納得してもらえることが多かったからだ。
(C) Pacific Coast News/amanaimages

ぽっちゃりもスキニーも同じように美しい

アシュリーを支えたのは、彼女の母親だった。「美も自信も、内面から来るものだと母が教えてくれた」。アシュリーは「私の体とそのイメージを、私自身のものとして取り戻さなければいけない」と、モデルとして活動しながらも自らの肩書きを「ボディ・アクティビスト(肉体活動家)」と名乗り、自然な美を追求する啓蒙活動を始める。

こうしたストーリーと信念に基づいた活動は評判を呼び、アシュリーは世界的に有名なプレゼンテーション・プログラム「TED」のスピーカーとして招かれる。世界に向けて「自分自身であれ、リアルであれ、本物であれ」と訴えた彼女のメッセージは、多くのリスナーから賞賛された。
(C) Capital Pictures/amanaimages
アシュリーが巻き起こしたプラスサイズ旋風は、「ナチュラル指向」「多様性を認め合う」という世界的な風潮にピタリとはまり、大きなムーブメントとなっていった。さらに重要なのは、プラスサイズが「ビッグサイズのビジネスになる」ということだ。

アメリカ人女性の半数は洋服のサイズが14号(日本のサイズで17号)以上といわれており、その市場規模は180億ドル(約2兆1530億円)。アシュリーも、自らのブランドを有する実業家であり、彼女が立ち上げたプラスサイズ向けランジェリーブランドは年商160万ドル(約1億9130万円)を誇る。米大手水着メーカーの「スイムスーツフォーオール」や、日本でも有名な「フォーエバー21」などのアパレルメーカーとも契約を結び、プラスサイズのラインナップを次々と発表し続けている。

しかし、アシュリーはけっしてプラスサイズが最高だといっているのではない。ぽっちゃり体型も、スキニーも、同じように美しい。「美とはサイズではない」。アシュリー・グラハムが伝えたいメッセージはとてもシンプルだ。

Text by Kiyoshiro Somari

Photo by (C) PA Photos/amanaimages