一新されたプレミアムSUVの先駆け、『アウディQ7』
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一新されたプレミアムSUVの先駆け、『アウディQ7』

アウディにおいて「Q」はSUVモデルを表す。『Q7』は、その頂点に位置するプレミアムSUVモデルだ。いまでこそ世界的な潮流である“プレミアム”SUVカテゴリーだが、2006年に日本デビューした初代は、その先駆けとなった1台といっていいだろう。今回は、10年ぶりのフルモデルチェンジとなる。

『Qシリーズ』の頂点に相応しいエクステリア

『Q7』は、最大7人乗りの広いキャビンを備えた多目的に使えるプレミアムSUVだ。ボディサイズは、初代と比べると全長が若干短くなり、全幅も狭くなった。一方、室内長は長くなり、キャビンの居住性は改善。とりわけ、オプションの「7シーターパッケージ」で提供される独立式の3列目シートは、ヘッドルーム、ショルダールームともに広くなっており、快適性は増している。
ボディサイズが若干コンパクトになることで、安っぽさが生まれるのでは? といった懸念もあったが、威風堂々とした佇まいは失われていなかった。筋肉質で力強さが感じられる新しいエクステリアデザインは、『Qシリーズ』の頂点に相応しい。

インテリアでは、センターコンソールから独立したインストルメントパネルが、プレミアムSUVとしての上質感とともに、視覚的な軽快感、スポーティ感を強調。また、最新世代の「アウディ MMI(マルチメディアインターフェイス)」は、指での文字入力もできる大型タッチパッドを備え、簡単な操作で一元的にコントロールできる仕組みになっている。

初代よりも300kgも軽量化され走行性能が向上

パワートレインはグレードによって2種類が準備された。ひとつは、『Q7』では初となる2.0L直列4気筒DOHCターボチャージャーの「2.0 TFSI(過給付き直噴ガソリン)」。そして、3.0L・V型6気筒DOHCスーパーチャージャーの「3.0 TFSI」だ。特に「3.0 TFSI」は、最高出力:245kW(333PS)/5500-6500rpm、最大トルク:440Nm/2900-5300rpmとパワフル。新開発の8速ティプトロニックトランスミッションを組み合わせることで、SUVながら0-100km/h に6.1秒(欧州仕様車)で達する、卓越した加速性能を実現した。
ちなみに、新型『Q7』は、初代と比較すると車重を最大300kgも削減。また、Cd値(空気抵抗係数)は最高で0.31と大幅に空気抵抗を減少させて、走行性能、燃費効率の両面を改善した。これに、アクセルオフ時にエンジンをシャフトから切り離し無負荷走行を行う「フリーホイーリング機能」の搭載や、「スタートストップシステム」「ブレーキエネルギー回生システム」の標準装着なども加わり、「3.0 TFSI」では、8.6km/L(10.15モード値)だった燃費を11.7km/L(JC08モード)まで 「2.0 TFSI」は12.6km/Lまで大幅に高めている。

足回りと安全性能にも先進テクノロジーを採用

足回りに関しては、全モデル標準でアウディ伝統の「クワトロフルタイム4輪駆動システム」を採用。通常時は、「前40:後60」とトルクを非対称に配分しているが、路面状況によってトルク配分を「前70:後30」から「前15:後85」の間で変化させることで、トラクションと回頭性を両立した。

サスペンションは、初代の「ダブルウィッシュボーン」に代わって、前後とも「5リンクシステム」へと進化。また、低重心化や路面状況や荷重から減衰力や車高を最適化する「アダプティブエアサスペンション」「4輪ステアシステム」などの先進テクノロジーの採用により、走行安定性と乗り心地を大幅に改善した。
先進テクノロジーでは、安全のためのアシスタントシステムにも触れておかなくてはならないだろう。追突の危険を減らす自動ブレーキを含めた「Audiプレセンスシティ」、衝突の危険を察知して前席シートベルトのテンションを高めるなどして衝撃に備える「Audiプレセンスベーシック」、ドライバーの車線維持を助ける「Audiアクティブレーンアシスト」、渋滞時にドライバーの負担を減らす「アダプティブクルーズコントロール」、駐車時のステアリング操作を助ける「パークアシスト」といったシステムを全モデルに標準装備。

加えて、車線変更をサポートする「Audiサイドアシスト」や後方からの衝突に対して乗員保護能力を高める「Audiプレセンスリヤ」などのシステムをオプションで設定している。

プレミアムSUVの火付け役となった『初代Q7』の登場から10年。すべてが新しくなった『新型Q7』は、これからのプレミアムSUVが目指す、新たな進化のランドマークとなることだろう。

Text by Tsukasa Sasabayashi