フルモデルチェンジしたアウディの主力セダン「A4」
- 大人のための最新自動車事情 -

フルモデルチェンジしたアウディの主力セダン「A4」

これは筆者の主観かもしれないが、都会を歩きながら何気なく道路を見たときにアウディがいるシーンが多い気がする。実際、アウディの2016年2月における世界販売は約12万6500台で、前年同月比3.3%増。74カ月連続で前年実績を上回った。そして、ここにきてアウディは、主力セダン「A4」をフルモデルチェンジ。メーカーの威信に関わる重要な刷新である。

「Cクラス」や「3シリーズ」と真っ向勝負

「A4」はDセグメントに属するアウディのミドルクラスセダンだ。1972年に登場した「アウディ80」が前身であり、「B1型」から「B4型」まで4世代が作られたのち、1995年に「A4」に改称。以来、4世代が作られ、世界累計1200万台以上が販売されてきた。

今回のモデルチェンジで、いよいよシリーズは5代目に突入する。ライバルには、メルセデス・ベンツ「Cクラス」やBMW「3シリーズ」の2代巨頭がいる。並の刷新では真っ向勝負を挑むことはできないが、新型「A4」もまた、先進技術で武装している。

限りなく自動運転に近い制御システムも採用

フルモデルチェンジにあたり、まずはエンジンが刷新された。新開発の2L直列4気筒ターボエンジンは、18.4km/L(前輪駆動グレード)という優れた燃費を実現しながら、パワーとトルクを向上。全モデルにツインクラッチ機構の7速Sトロニックが組み合わされているため、スポーティな走りを気軽に楽しむことが可能だ。

グレードは、前輪駆動2機種と、AWD「クワトロ」を採用した2機種をラインナップ。エンジン性能は、前輪駆動モデルが最高出力190ps/4200-6000rpm、最大トルク320Nm/1450-4200rpm、クワトロモデルが最高252PS/5000-6000rpm、最大370Nm/1600-4500rpmにチューニングされている。
また、先進の電子制御システムも採用している。標準装備の「アダプティブクルーズコントロール」には、新たに「トラフィックジャムアシスト機能」を追加。アクセル、ブレーキに加えて、ステアリング操作のアシストも加わり、限りなく自動運転に近い制御システムに進化した。さらに、コクピットのインターフェイスも先進的なものとなった。ペアリングしたスマホアプリが運転席でそのまま使えるなど、電子デバイスとの連携も強化された。

“線”を意識した個性と高級感のあるデザイン

もちろん、エクステリアも大きく変化している。従来のA4はどこか丸みのあるラインであったが、新型は”線”が意識されている。

伝統のシングルフレームグリルが採用されたフロントフェイスは、ライトも合わせて直線的なラインで引き締め、しっかりとした個性と高級感を演出。ボディ後部に至るまでシャープなラインが続き、リヤもスポーティな印象となった。街を歩く人がこのクルマを見かけたとき、眼前を走り去るまでの一連のシーンがより印象的に映ることだろう。
インテリアも従来に比べて空間が拡大された。水平基調のデザインや刷新されたシート、広くなったフロントの足元のスペースなどが心地よい空間を演出する。クラスを超えた上質感を味わいながら、休日のドライブを楽しむことが可能だ。
ドイツの高級車といえば、メルセデス・ベンツとBMWが2大巨頭だったが、最近はアウディがリードする場面も見られる。今回の「A4」も、ライバルたちに負けない進化を見せており、このクラスのベストセラーになる可能性も十分あるだろう。ドイツ車にまたひとつ「いいクルマ」が加わった。

Text by Tetsuya Abe