ジュネーブショーに登場した超豪華スーパーカーたち
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ジュネーブショーに登場した超豪華スーパーカーたち

2016年春も、3月1日から13日にかけて「ジュネーブモーターショー」が開催された。世界5大モーターショーのなかで唯一、隔年ではなく毎年行われるこの歴史あるモーターショーは、正式名称を「サロン・アンテルナショナル・ド・ロト」といい、欧州メーカーの新型モデル、とりわけスーパースポーツカーやラグジュアリーモデルが全世界に向けて華々しくデビューすることで知られている。ジュネーブはスイスの西の端にある人口20万人ほどの小さな街にすぎないが、ここに展示されるクルマの派手さは世界一なのだ。今回もフェラーリやランボルギーニ、ブガッティなど、多くの高級車ブランドから注目のスーパーカーが発表された。ジュネーブモーターショーに登場したスーパーカーのうち、選りすぐりの5モデルを紹介しよう。

価格2億円、ランボルギーニ100周年モデル

多くの新モデルが並んだ2016年のジュネーブモーターショーだが、そのなかでもっともギャラリーの注目を集めたブースのひとつがランボルギーニだった。

2016年はランボルギーニの創業者、フェルッチオ・ランボルギーニの生誕100周年にあたる。ランボルギーニがこのメモリアルイヤーに「スペチアーレ(スペシャルモデル)」を発表することは以前から噂されていたが、ジュネーブで、それが現実のものとなったのである。

イタリア語で100周年を意味する「チェンテナリオ」と名付けられたそのモデルは、20台のクーペと20台のロードスター、計40台だけの限定生産となる。しかし、限定モデルといっても、フルカーボンで仕上げられたボディに既存モデルから流用したパーツはほとんどなく、エクステリアはわずか40台のためにまったくの白紙からデザインされた。チェンテナリオは、日本円に換算すると2億円以上という超高額プライスにかかわらず、生産予定の40台はすべて売約済みだという。
(C)Blvk
このランボルギーニのライバル、フェラーリはニューモデル「GTC4ルッソ」をアンベールした。GTC4ルッソは、4WD、大人4人がゆったり座ることのできるフル4シーターを採用するなど、フェラーリのなかでは極めて異例なモデルとして2011年にデビューした「FF」の進化版だ。

しかし、モデルチェンジされたGTC4ルッソには、FFとの共通点を見つけるのが難しいぐらいの大幅な改良が施されている。12気筒、4シーターであることに変わりはないが、6.2L・V12エンジンの出力が660PSから690PSへとアップされたほか、「4RM-S」と呼ばれる4WS(四輪操舵)を初めて搭載。内外装が最新のフェラーリの流儀に則ったものになったことは、ご覧の通りである。

カーボンが透けて見えるマクラーレン「P1」

ジュネーブモーターショーへの参加が4回目となるマクラーレンは、3カテゴリーのフルラインナップを揃えるなど、展示規模、展示モデル数ともに過去最大となった。初公開されたスポーツシリーズのニューモデル「570GT」も注目されたが、特に目を引いたのがMSOバージョンの「P1」だ。

P1はわずか375台だけが作られたマクラーレンのフラッグシップモデルで、MSOとは、同社のビスポーク部門である「マクラーレン・スペシャル・オペレーション」のこと。展示されたMSOバージョンのP1は、この375台のうちの1台で、ボディにフルビジュアルカーボンファイバーが採用されている。「リオ・ブルー」と呼ばれるボディカラーは、カーボン素材が透けて見える半透明のスペシャルペイントである。

この美しいカーボン模様が印象的なP1には、24金製のエキゾースト・ヒートシールドも装備されている。これは1990年代の伝説のスーパーカー、マクラーレン「F1」と同じ熱シールドで、同モデルへのオマージュとして採用された。MSOによるビスポークは、購入時だけでなく後から実施することも可能だ。もちろん、マクラーレンの他のモデルに施すこともできる。
ランボルギーニと同様、2013年にブランド創立100周年を祝ったアストンマーチンは、「次の100年を担うモデル」として名称のみを明かしていた「DB11」を公開した。

DB11は「DB9」の後継モデルとなるが、DB9が前身の「DB7」のスタイリングを踏襲していたのに対し、DB11はまったく新しいデザインとなっている。ただし、特徴的なフロントグリルや張り出したリアエンドなど、ひと目でアストンマーチンとわかるアイコンも纏っている。

アルミニウム製プラットフォームなど、メカニズムも刷新された。パワーユニットは、自社開発のV型12気筒5.2Lターボを搭載し、608ps/6500rpm、71.4kgm(700Nm)/1500-5000rpmを発生。0-100km/h加速は3.9秒。最高速は322km/hとされている。価格は英国ポンドで15万4900ポンドとなっており、日本で発売される際には2000万円台後半のプライスタグがつくだろう。

ついにベールを脱いだブガッティ・シロン

同じ高級車でも、量販されるモデルではなく、少数生産のスーパーカーブランドのブースが並ぶのもジュネーブモーターショーの特徴だが、そのなかでランボルギーニに負けないくらいに大きな注目を集めたのがブガッティだ。究極のスポーツカー「ヴェイロン」の生産終了から1年、早くもその後継モデル「シロン」が公開されたからである。

注目のパワーユニットは、1500PSを発生する8.0L・W16クワッドターボ。その最高速度は420km/hに達するという。ヴェイロンを凌駕する途方もないパフォーマンスは、まさに史上最強のロードカーといっていいだろう。

全体のスタイルはヴェイロンに似ているものの、シャシーからエンジンまで、そのほとんどが新たに設計された。価格は、日本円に換算するとおよそ2億9300万円で、生産予定台数は500台。発売は今年の秋ごろになるそうだが、すでに予定台数の3分の1の受注を得ているというから、驚くしかない。
(C)Ghoster
世界のモーターショーでは年々、スーパーカーよりもSUVが中心になりつつある。2015年のポルシェは5年連続で売り上げ記録を更新したが、その最大の要因はクロスオーバーSUVの「カイエン」や「マカン」だった。もちろん、ジュネーブモーターショーにもSUVが数多く展示されたが、ここではやはり、その主役はスーパーカーブランドなのである。2017年のジュネーブモーターショーでは、どんな超弩級のクルマが発表されるのだろうか。

Text by Muneyoshi Kitani