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2025年に向け必要なマネジメントとは

労働人口減少による構造的な人材不足をいかに解消するかは、多くの日本企業が抱える課題。リクルートワークス研究所の試算によれば、2025年には就業者が約183万人も減少するという。無策のままでは激化する人材争奪戦に巻き込まれ、人手の確保に過大なコストやパワーを費やすことになってしまう。

来るべき「2025年問題」に、経営層はどう立ち向かうべきなのか? リクルートワークス研究所の中村天江氏に聞いた。

■「働き方の再発明」で、多様な人材の能力を活かす

「現時点で、20代の若手を底辺にしたいわゆる“ピラミッド型”の組織構造を維持できている企業は、全体の1割を切っています。10年後はさらに若手の戦力が希少になり、40代後半から50代前半の層が最も厚くなるでしょう。企業は当然、数少ない有望な新人を育成したいと考えますが、今度は『どう育てればいいかわからない』という問題に直面します。すでに若手が少ない現状ですから、今の30~40代は育成経験が乏しいまま管理職に就くことになる。企業として若い力を活用したくても、現場に育成のノウハウがない。これからの10年、そんな悩みを抱える企業が増えていくと予測できます」(中村氏、以下同)

とはいえ、若手の人員不足は早急に解決できる問題ではなく、管理職候補にマネジメントスキルを学ばせる機会を与えようにも難しい。そんな現状において、10年後も有能な労働力を確保し、現在と同等以上の生産性を維持するためには大胆な方向転換が必要だ。

「労働意欲があるのに様々な制約によって働き口を得られていない、そんな多様な人材をうまく活用していくことが重要です。特に2025年にかけて就労が期待されるのは、育児中の母親、高齢者など時間や体力の制約をもつ個人です」

さらに、こうした人材を活かすためには、「働き方の再発明」が必要だと中村氏は続ける。

「ダイバーシティという言葉が盛んに使われているように、多様な人材の能力活用は現在の雇用のメインイシューとなっています。しかし、ただ多様な人材を確保するだけでは何も生まれません。多様な人材がそれぞれの持ち味を発揮し、100%の力を発揮できるよう業務を設計することが重要です。たとえば、時間と場所の制約を受けずに働ける時短勤務やリモートワークを導入し、役割を細分化して育児中の母親や父親でも無理なく仕事が続けられる環境を整備すること。多様な人材をインクルージョン(包摂)する業務設計とマネジメントが求められるでしょう。また、システムだけでなく、職場レベルで『多様な働き方を許容する空気感』を醸成していくことも大事ですね」

表層のダイバーシティから深層レベルのインクルージョンへ。10年後に向け、経営層には一段高いレイヤーのマネジメントが求められそうだ。

text by Noriyuki Enami(Yajirobee)