頂点に立つピュアスポーツ、ジャガー『FタイプSVR』
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頂点に立つピュアスポーツ、ジャガー『FタイプSVR』

1961年から1975年まで生産されていた『ジャガー Eタイプ』。当時としては類い希なる動力性能と「ロングノーズ・ショートデッキ」の美しいスタイリングは、名車として高い評価を得ている。そんな『Eタイプ』のDNAを継承するのが、『Fタイプ』だ。現行モデルではジャガー唯一の2シーターピュアスポーツである。これまでは「R」の名を冠する『Fタイプ R』が存在していたが、2016年ジュネーブモーターショーにおいて、頂点に立つ高性能グレード『FタイプSVR』が発表された。

最高速度は322km/h、脅威の動力性能を実現

『FタイプSVR』は、ジャガー・ランドローバーの特別車両部門「SVO(スペシャル・ビークル・オペレーションズ)」が手掛ける初の量産車だ。圧巻なのはパワートレインだろう。5.0L・V型8気筒スーパーチャージャーを、SVOがチューニング。最大出力は『FタイプR』を上回る575ps/500rpm。最大トルクは700Nm/3500-5000rpm。このエンジンに8速トランスミッションが組み合わされ、0-100km/hの加速は3.7秒、最高速度は322km/hを誇る。
この動力性能を実現できた理由のひとつが、グラム単位の徹底した軽量化だ。 エグゾーストシステムは『FタイプR』のステンレスからチタンとニッケル基の超合金であるインコネル(R)に変更し、16kgを軽量化。また、鍛造アロイホイールを採用することで、全重量から13.8kg削減、新設計されたリアサスペンションは0.6kg、オプションのカーボンセラミックブレーキは21kgも軽量化されている。

往年の名車を彷彿させる流麗なスタイリング

外観は、ベースとなった『FタイプR』をアップデート。『Eタイプ』の美しいスタイリング「ロングノーズ・ショートデッキ」を受け継いだ流麗なデザインだ。そして、その流麗さは、より速く安定して走るための機能美でもある。

「エアロダイナミックウィング」は、抗力を抑制しより強いダウンフォースを発生させ、作動時は空気抵抗係数を2.5%、揚力係数を15%抑えてくれる。さらに空力性能の向上は、エンジンベイの空気流を整え、効率的な冷却とバランスのとれたダウンフォースに貢献している。
内装も特別感に溢れる。ドアを開けた瞬間、目に飛び込むのは「SVR」のトレッドプレート。シートはキルティングを施したプレミアムレザーだ。ステアリングも同じくレザー仕上げでSVRバッチがポイントとして主張している。シフトパドルはアルミコーティングで、高級感と合わせてスポーティーさも演出した。

価格1779万円、『911ターボS』よりお買い得

ボディタイプはクーペとコンバーチブルの2種類。現時点では、日本ではクーペのみを2016年秋頃に販売予定。価格は1779万円(税込み)とアナウンスされている。

最高出力575psは、『メルセデス・ベンツ AMG GT S』や『アストンマーチン DB9 GT』、『ポルシェ 911ターボS』よりもパワフル。『アストンマーチン ヴァンテージ GT12』や『ランボルギーニ ウラカン LP610-4』にわずか及ばずといったところだ。1779万円はけっして安い値段ではないが、このカテゴリーではお買い得な部類なのかもしれない。

Text by Tsukasa Sasabayashi