成功者のためのマッシブセダン、キャデラックCTS-V
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成功者のためのマッシブセダン、キャデラックCTS-V

「マッスルカー」と呼ばれるカテゴリーがある。狭義では、1960年代から1970年代にかけてアメリカで製造された大排気量FRクーペを指すことが多い。広義では、V8エンジンを搭載したトルクの太い車を「マッスルカー」と呼ぶ人も多いだろう。いずれにしろ、「燃費は悪いが加速はスゴい」「スタイルも攻撃的でマッチョ」な、いわゆる「アメ車」をイメージさせる車たちだ。しかし、世界中で排ガス規制が進み、安全基準が高まるにつれて、いくらアメ車といえどもマッスルカーは主流でなくなってきている。そんななか、「マッスルカー」のDNAを感じさせてくれるのが『キャデラック CTS-V』だ。

怪物級の加速力のスーパースポーツセダン

キャデラックは、GM(ゼネラルモーターズ)の最高級レンジを担う。そのなかで『Vシリーズ』は、キャデラック・レーシング直系の最先端テクノロジーで、高次元の走行性能を追求した究極のスーパースポーツセダンといった位置づけだ。なかでも『CTS-V』は、6.2LのスーパーチャージャーV8エンジンが叩き出す驚異的な動力性能を持つ。

約2トンの巨体でありながら、0-約100km/hの加速は、わずか3.7秒。最高出力:649PS(477Kw)/6400rpm、最大トルク:850N・m(87.2kg・m)/3600rpm(北米測定値)のハイパフォーマンス。「マッスルカー」のDNAを受け継いでいるといっても過言はないだろう。
この動力性能をさらに際立たせるのが、ブレンボ社製の高性能ブレーキシステムや路面状況に合わせてショックアブソーバーの固さをコントロールするマグネティック・ライドコントロール(磁性流体減衰力制御システム)や、先代の『キャデラック CTS-V』よりも剛性が45%向上したホイールなど。そのポテンシャルは、改造や特別なチューニングなしに、サーキット走行が可能だという。

実際、走行条件に合わせて車両のセッティングを選択できる「ドライバーモード・セレクター」機能には、「ツアー」「スポーツ」「スノー/アイス」に加えて、「トラック(サーキット走行)」といったモードが設定されている。

ラグジュアリーで機能美に溢れるエクステリア

ラグジュアリー然としたエクステリアにも、「スーパースポーツセダン」としてのこだわりがある。フロントエンドからフェンダー、ボンネット、リアスポイラー、ロッカーモールディングに至るまで、一つひとつがクルマの性能向上をサポートし、揚力低減、冷却向上に貢献するようデザインされている。

例えば、フロントエンドは、グリル開口部が大きくなり、スーパーチャージャーにより多くの空気を給気。トレードマークとなっているグリル開口部のメッシュパターンも大きくなり、より多くの空気をラジエータとマルチプル熱交換器に供給している。フロントスプリッターは、空気が車体の床下を流れて揚力を生じさせることなく、車体の前面をダウンフォースで押し下げることによって、ハンドリングを向上させた。

ボンネットを開けると、軽量カーボンファイバー製エンジンフードが目に入る。ここには、内部空気を逃がすためのベントを設置。エンジンコンパートメントの熱気を外に逃がし、ラジエータを通過した空気が車体の下からではなく、車体の上を通って抜けるようにすることにより、高速走行時の揚力低減をサポートしている。

キャデラック・ブランドの頂点に立つモデル

インテリアはスポーティーでありながら、ラグジュアリーセダンならではの品格を備える。ステアリングやシフトレバーには、パフォーマンス志向のスウェーデッド・マイクロファイバーを採用。内張にはマット仕上げのカーボンファイバートリムを加えた。よりアグレッシブなドライビングを志向するユーザーには、オプションでレカロ・パフォーマンスシートも準備されている。
アメ車らしい暴力的な加速とその加速に似つかわしくない従順なハンドリング、そして、アメリカの成功者達を魅了し続ける高品位なラグジュアリーテイスト。『CTS-V』は、キャデラック・ブランドが持つすべてを備えた、頂点に君臨するモデルへと進化した。

Text by Tsukasa Sasabayashi