伝統の名を受け継いで一新、ポルシェ718ボクスター
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伝統の名を受け継いで一新、ポルシェ718ボクスター

イタリア、シチリア島で1907年〜1977年まで開催されていた「タルガ・フローリオ」。国際スポーツカーレースのなかで最も歴史が古いといわれる、由緒正しきレースだ。このレースで、1969年、1970年と連覇した伝説のマシンがある。『ポルシェ 718』。4気筒ボクサーエンジンを搭載したミッドシップカーは、その後も、「ル・マン」をはじめとして様々なレースで活躍することとなる。その伝統の名が、21世紀に甦った。

ターボを搭載した伝統の水平対向4気筒エンジン

ポルシェは、2016年のモデルチェンジから2ドアミッドシップモデルに『718シリーズ』という名前を与えると発表した。具体的には、現行の『ボクスター』と『ケイマン』が『718ボクスター』と『718ケイマン』という名称に変更。これにより両車は、外観的にも技術的にもさらに共通点が増える予定だという。将来的には911同様、ロードスターである『ボクスター』が、クーペの『ケイマン』よりも上の価格帯に位置付けされる。そして、まず市場に投入されるのが、『718ボクスターシリーズ』だ。

ラインナップは2Lエンジンの『718ボクスター』(下の写真左)と2.5Lの『718ボクスターS』(下の写真右)の2車種。いずれも、新開発のターボチャージャー水平対向4気筒エンジンを搭載するが、『S』は、低回転域のレスポンスの良さと幅広い回転域での高いトルク特性を実現する「バリアブルタービンジオメトリー (VTG)」を備える。
この心臓部が生み出す動力性能だが、『718ボクスター』は最大出力:220kW(300PS)、最大トルク:380N・m/1950rpmー4500rpm。0ー100km/hの加速タイムは、PDKとスポーツクロノパッケージ仕様車で4.7秒、最高速度は275km/hを誇る。『718ボクスターS』の最高出力出力は257kW(350PS)。最大トルクは420N・m/1900rpmー4500rpm。0ー100km/hの加速タイムはPDKとスポーツクロノパッケージ仕様車で4.2秒、最高速度は285km/hとなっている。

ターボチャージャーの採用により、両車とも最大トルクが大幅に増大。0ー100km/hの加速タイムからもわかるように、スタート時の加速力は抜群だ。また、これだけスポーティーでありながら、燃費も13%向上させているのもポイントだろう。

新しいシャーシによりさらにスポーティーに

この動力性能を最大限引き出すのが、よりスポーティーに一新されたシャーシだ。ダイレクトさを10%高めた電動式パワーステアリングや高いコーナリング性能によって、日常生活のみならず、サーキットにおいても、俊敏で操縦しやすくなっている。

オプションではあるが、『718ボクスター』には車高が10mm低い「ポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシステム(PASM)」、『718ボクスターS』には。20mm低い車高を備えたPASMスポーツシャシーが用意された。ロングドライブにおける高い快適性とダイナミックで剛性感溢れるスポーティーな操縦性を両立してくれる。

また、同じくオプションで準備されている「スポーツクロノパッケージ」では、『911』と同様に「ノーマル」「スポーツ」「スポーツ・プラス」の3つのモードに加えて「インディビジュアルプログラム」が設定可能。また、追い越し時などに押すことで、20秒間だけエンジンとトランスミッションのレスポンスが最高レベルに設定される「スポーツレスポンススイッチ」も搭載される。

ワイドで力強いスタイルとなった新デザイン

『718シリーズ』が搭載した新しいターボエンジンのコンセプトは、エクステリアにも見てとれる。フロントには大型クーリングエアインテークが備わり、フロントエンドには、LEDデイタイムランニングライトを統合したバイキセノンヘッドライトを搭載。新しいデザインでいっそう彫刻的な形状が施され、ワイドでより力強いスタイルを醸し出す。

フェンダーとサイドシルは新しいラインを採用。2つのフィンを備えた大型エアインレットパネルがダイナミックなルックスを強調している。また、テールライトは3DのLEDテクノロジーと4灯のブレーキライトによって一新。その間に配した“Porsche”ロゴとアクセントストリップがワイドなリヤボディーをより際立たせる。
伝統の名を冠して生まれ変わった『718ボクスター』。甦ったポルシェ伝統の水平対向4気筒エンジンは、更なるドライビングプレジャーを与えてくれることだろう。

Text by Tsukasa Sasabayashi