フォードのコンパクトカー「フィエスタ」特別モデル
- 大人のための最新自動車事情 -

フォードのコンパクトカー「フィエスタ」特別モデル

フォードのボトムレンジを担うコンパクトカー、フィエスタにスポーティな装いの特別仕様車が登場した。その名は、「スポーツアピアランス」。専用の“ブラックハニカム”を採用したグリル周りが、もともとスポーティなテイストのエクステリアをさらに精悍に引き締める。

3年連続で優れたエンジンに選ばれた名機搭載

現行フィエスタが日本でデビューしたのは、2014年2月。フィエスタは、欧州では1976年以来、途絶えることなくラインナップされているベストセラーモデルだが、日本では2008年に先代モデルの販売が終了して以来の登場となった。

導入されたフィエスタは、4世代目の後期型に当たるモデル。グレードは1タイプのみで、5ドアボディに3気筒1.0L「エコブースト」ターボエンジンとデュアルクラッチ式6速「パワーシフト」ATが組み合わされたものだ。フィエスタに搭載されるエコブーストエンジンは、3年連続でインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーに輝いた名機。スムーズかつ俊敏な変速をするデュアルクラッチ式6ATとのマッチングもよく、3気筒1.0Lとは思えないほど快活な走りを見せてくれる。特段、スポーツモデルであるとは謳っていないが、十分「スポーティ」といえるものだ。

専用ブラックハニカムパーツによる特別装備

今回の「スポーツアピアランス」は、スポーティなフィエスタのデザインを、より一層スポーティに仕立てた特別仕様車である。といっても、特別装備はそれほど多くない。「専用ブラックハニカム・アッパーグリル」「専用ブラックハニカム・ロアーグリル」「専用ブラックハニカム・フォグランプベゼル」の3点が装備されたのみである。

しかしながら、通常モデルでは、外周をメッキモールで囲われていたフィンタイプのグリルがブラックのハニカムメッシュになっただけで印象がガラっと変わるのだから、クルマというのは面白いものだ。特別なエアロパーツが装着されているわけでもなければ、ホイールのデザインが変わったわけでもないのに、まったく別のスポーティグレードに見えるのである。
スポーツアピアランスは、限定90台のみの設定で、ボディカラーは通常モデルと同じく「ブルーキャンディメタリック」「パンサーブラックメタリック」「ムーンダストシルバーメタリック」「フローズンホワイト」「レースレッド」の全5色から選択することができる。

スポーツアピアランスが発表された直後、米フォードは日本での事業から2016年中に撤退することを発表した。これは、このスポーツアピアランスが日本で買える最後の特別なフィエスタになることを意味する。気になるのは撤退後のアフターサポートだが、引き続きサービスは継続していくというから心配はなさそうだ。スポーティなルックスと、ホットハッチといっても過言ではない軽快な走りが両立したフィエスタに少しでも興味があるなら、新車が手に入るうちに買っておいて損はないだろう。

Text by Muneyoshi Kitani