ポルシェ911を超える高級クーペ、レクサス『LC500』
- 大人のための最新自動車事情 -

ポルシェ911を超える高級クーペ、レクサス『LC500』

2012年デトロイトモーターショーに出展されたデザインスタディ(設計検討)モデル『LF-LC』。その流麗なボディと細部まで作り込まれたインテリア、そして、600馬力を越える5.0L V8エンジンが生み出すであろう圧倒的な動力性能は、レクサスが持つポテンシャルの高さを見せつけた。他のモデルとは違いすぎるスペックから、市販化の噂は多くなかったが、それは良い意味で裏切られた。『LF-LC』の発表から4年、同じデトロイトモーターショーで発表された『LC500』は、『LF-LC』をベースにした1台である。いわく「LEXUS(レクサス)は、LC500と共に新たなステージへ向かう」。絶対の自信を持ったラグジュアリークーペが、ついに市販化される。

ブランドに変革をもたらす次世代のレクサス

評価の高い『LF-LC』のデザインテイストを進化させ、市販モデルにまで昇華させることは、レクサスブランドに変革をもたらす挑戦であったという。『LC500』は、次世代のレクサスを象徴するクーペになる必要がある。そのために、トヨタの新しい車両開発方針である「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」の思想を取り入れ、車の骨格となるFRプラットフォームから新開発された。

一見してわかるアグレッシブなスタンスは、低重心かつ低い全高とワイドな全幅によるものだ。そして、タイヤを四隅に配置することで張りだした抑揚あるフェンダーからは、クーペの機敏さがにじみ出る。ラグジュアリークーペに相応しいエレガントさは、艶やかな曲面とシャープなラインによって醸し出されている。

フロントマスクは、下端からボンネットフードへと続く流れを強調。レクサスのブランドアイコンである「スピンドルグリル」をボディと一体化させることで躍動感を高めた。また、超小型3連LEDヘッドランプと、L字型に発光するLEDクリアランスランプが加わることで、精悍かつエレガントな表情となっている。

リアには、フロントからの流れを受けたスピンドル形状を採用。テールランプ外側から縦下方向に伸びたターンシグナルランプや左右出しのマフラーにより、低重心でワイドな感じを強調している。

細部にまで徹底的にこだわったコクピット

コックピットは徹底した走り込みに基づき、ペダル配置、ステアリング傾角、シートのホールド性などの細部にまでこだわった。握る位置に合わせて断面形状を緻密に変化させ、手にしっくりと馴染むよう配慮されたステアリングと相まって、ドライバーと車の一体感が醸成されている。

助手席にはおもてなしの心が満載だ。体を包み込みながら、車両前方へ視覚的に広がりを感じさせる開放感。シートにはレザーやアルカンターラを採用している。上質な素材を繊細なモノづくりで仕上げることで、使うたびに深まる心地良さを実現した。

ライバルはドイツ車勢の高級スポーツカー

美しいデザインを創り出した新開発のFRプラットフォームは、走りのポテンシャルを高めることにも直結している。タイヤを四隅に配置し、エンジンを車軸の後方に設置。人や重量物をより重心に近づけ、重量配分のバランスを調整することで、走りの理想形に近いフロントミッドシップを創造した。また、フロントサスペンションタワー、フロントフェンダー、サイドドア外板などにアルミ素材を採用。ルーフ、ラゲージドア、サイドドア内側にCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を採用するなど軽量化にも力を入れている。
搭載されるエンジンは、『IS F』や『RC F』などに搭載されている「2UR-GSE型」。自然吸気の5L V8エンジンで、現時点のリリースでは、最高出力:349kw(475PS)/7100rpm、最大トルク:530N・m(54.0kgf・m)/4,800〜5,600と発表されている。また、北米などでは『LC500h』という商標登録がされているという一部報道もあるので、ハイブリッドモデルが発売される可能性もあるだろう。
エンジンに組み合わされるのは、レクサスとして初搭載となる10速オートマティックトランスミッション。アクセルやブレーキ、車両のG(重力加速度)から、ドライバーの意図を読み取り、最適なギヤを選択する制御機能を持つという。

日本での販売は2017年春頃とのこと。価格帯などは発表されていないが、ポルシェ911やBMW6シリーズ、メルセデス・ベンツSLなどがライバルになると予想される。世界の名だたる高級スポーツカーに勝るとも劣らない、日本発のラグジュアリークーペ。今から発売が楽しみだ。

Text by Tsukasa Sasabayashi